第7話「爆乳女子プロレスヒーローコンビ襲来」


 Side 闇乃 影司


 早くも修行は半月が過ぎた。

 どんどん、Vレンジャーの面々は強くなっていく。

 今の段階でも最早別人の様な強さになっている。

 修行を終えれば更に強くなるだろう。


 そんな最中闇乃 影司は――苦痛を味わっていた。

 

 修行つける以外で基本Vレンジャーの面々とあまり関わらないようにしている。

 

 それによる孤独感。


 そして精神的な苦痛が闇乃 影司の悪夢を深めていた。


 闇乃 影司は絶対的な強者である一方で、精神的に不安定な部分を持つ。

 その精神的に脆くなった部分がさらに壊れてしまうと本能のままに暴走し、限界を超えた強さを発揮するだけでなく、際限なく強くなっていく怪物になってしまう。

 

 最近は安定しているが――こうした心の叫びは悪夢と言う形で出現する。

 救えなかった人。

 その時に自分は何を想ったのか?

 救えなかった相手は最後、どんな表情をしていたのか?

 鮮明に思い出してしまう。


 その悪夢を見ないようにするには、どう言うワケかは知らないが誰かと寄り添う様に寝る事で発生を収める事が出来る。

  

 そして何故だか今日に限っては見なかった。

 不思議に想うと寝室の自分のベッドの横に誰かが横たわっていた。

 女性だ。


 ミサキの奴が嗅ぎ付けたかと思いもしたが、意外な人物だった。


「ウキュ?」


「なにがウキュだ・・・・・・」


 リンダ・アイゼンバーグ。

 同い年で女学生。

 ショートカットの金髪で碧眼の可愛らしく整った顔立ちと120cm台のアウティエルとかとタメを張れるサイズのバスト。

 女子プロレラー志望であり、女性にしては恵まれた豊満な体付きと背丈を持つ。

 また生まれ育った孤児院(故あってか爆乳孤児院だのおっぱい孤児院だの言われてる)にお金を入れてたりしている。

 

 だが同時に世界屈指のスーパーヒロインである。

 変身形態はエロい。

 星のエンブレムがついた金のティアラやベルトとかはまだいい。

 赤いグローブのロンググローブやサイハイブーツもまだいい。


 問題は胴体のパーツだ。

 首回りの布地に青い宝石。

 ハイレグレオタードとは首周りの布地と胸の生地と黄色い生地で繋がっている。鎖骨や背中は丸出しだ。


 食い込んでいる下半身と胴体は青い布でボリュームあり過ぎるバストは赤い生地で覆われている。問題はバストに大きな星のマークが刻まれている事だ。

 

 これはある意味裸よりも恥ずかしい。 

 羞恥心を何処かに置き去りにしているとしか思えない。デザインは本人曰く、ワンダー●ーマンが元ネタらしく、彼方も中々扇情的でぶっ飛んでる姿だが此方は色々と終わっている。

 胸の星をどうにかすればマシかもしれないが本人その気はないようだ。


 控えめに見ても痴女です。

 ありがとうございました。


「大体どうしてここにいるんだ?」


 今はパジャマ姿でねぶたそうにしている彼女に問い掛ける。


「心配だから、ミサキさんとかリンディさんとかイザベラさんの後押しもあって来てみたの」


 と、顔を赤らめながら答えた。

 頭には女スパイや女子プロレスラーやセレブの顔が思い浮かんだ。

 取り合えず質問を変えてみる事にした。


「学校は?」


「ちゃんと出席日数は足りてる」


「いい加減俺に愛想尽きろ。相方のジュディ(この子も超爆乳)にも言え――」


「やだ。もっと傍にいたい」


「何度も言うけど自分他の女性とセックスして――」


「知ってる。最初は驚いたけど一夫多妻制の国に移住すれば問題解決だと思う」


「はあ・・・・・・」


 何か言ってて悲しくなって来た影司だった。

 どうしてこんな良い子まで自分の毒牙に掛かったのだろうか。つか毒牙にいつ掛けた?


 他にもっといい男はいなかったのだろうか。

 てか皆して包囲網を築いているのはどうしてだ。


「やっぱミサキさんとセフレになったのが間違いだったのかな・・・・・・」


「でもその時、とても辛くて悲しかったんでしょ?」


「・・・・・・まなあ」


 ミサキとセフレになった時は異世界でのゴタゴタが終わった後だ。

 軽く常時暴走状態していて悪堕ち秒読み段階だった。

 それを救ったのがミサキ・ブレーデルやイザベラ・ペンテシレイアと言う女性だ。

 だから未だに彼女達には頭が上がらない。


「今も悲しそうにしている。私それを救えなかったのとても辛い。悲しそうだった」


「お前のせいじゃねえ・・・・・・」


「でも」


「でもも何もない。大人しく元の世界に帰って夢を追え。卒業まであっと言う間だろ」


 とにかく影司は突き放したように言う。


「影司は将来どうするの?」


「知るか。戦い続ける」

  

「なら私も一緒に戦い続ける」


「なんでそうなるんだ!? アマネさんに言いつけるぞ!?」


 アマネさんとはリンダが居た孤児院の院長さんだ。

 影司もあまり頭は上がらないがリンダも頭が上がらない存在である。

 

「アマネお姉ちゃんは「リンダもジュディも好きに生きなさい」って言ってくれた」


「あーもう!! なんで俺の周りの女性達は変に物分かりがいいんだよ!? 普通の女性は「貴方最低」とか言ってフったりとか! 軽蔑したり侮蔑したり! どいつもこいつも白い粉でもキメて頭湧いてんのか!?」


「不幸な人生歩んでたからその反動で今ようやく幸福が訪れたんだよ」


「俺はその後の反動が恐いけどな・・・・・・」


 何度も思ったが真剣に身を固めた方がいいかもしれない。

 影司はそう思ったがこれと言った相手がどいつもこいつもハーレムルート容認している懐のいい出来すぎた、自分には勿体なさ過ぎる女性ばかりなのも問題である。


「今ジュディが朝ご飯作ってるから私も手伝いにいくね」


「ああそうか――つかあの雌牛の子も来てるのかよ!? もう出て行け!? お前ら二人男の目に毒過ぎるんだよ!? 特に胸が!?」


 もうヤダ自分の人生と強く想いを乗せた影司の絶叫は城に響いた。



 女性関係がだらしない男性と言うのは大概憎しみや侮蔑、軽蔑の対象となる。

 だがアイア●マンのト●ー・スタークみたいに突き抜けていれば逆に世間からも容認されると言う不思議な部分がある。(日本ではどうかは知らないが)


 影司の場合も後者の部類になってしまったらしい。

 

 更には何故だかVレンジャーの面々から何故だか「苦労してるんだな」とか「困った事があったらお姉ちゃんに何でも言ってね!」とか「影司さんの事誤解してました!! 本当とても凄く優しい人なんですね!」とか言われてしまった。


 この「メアリー・スー状態」になってる事に心辺りがある影司は応接間の赤い絨毯の上にリンダやジュディを正座させて問い詰めた。


 二人ともとんでもない爆乳で、ジュディも体格はリンダと同じく豊満で背丈もあるため、普通の人間には髪の長さで区別をつけるしかない。

 ちなみにジュディは髪が金髪のロングヘアーである。


「で、ジュディさん? どうして皆俺の事に詳しくなってるのかな?」


「影司の事話したから」


「何処まで?」


「私の知ってる限り全部デス」


「だろうと思ったよ・・・・・・」


 自救えなかった人達の事。

 自分の冒した罪。

 何もかも全部Vレンジャーの皆様に知られたらしい。


 胸を揺らしながら「はい、はい」とリンダが手を挙げる。影司は「どうぞ」と発言を促した。


「だけど皆悪夢に魘されているの心配してたよ? あの人達、悪い人達じゃないよ?」


 聞かれていた事は影司は驚いている。

 ちゃんと防音対策はバッチリの筈だったにも関わらずにだ。

 適当に誤魔化していたが心配されていたらしい。 


「だからって他人の善意に――ってお前達何時までそこにいるつもりだ!」


 そう言ってドアに近寄りバタンとドアを空ける。

 するとそこには自主練申しつけてある筈のVレンジャーの面々がいた。

 皆困ったような顔をして「だから言ったのに」、「私は止めたんだからね!?」、「わ、悪気はないんです! 皆、影司さんの事心配だったんです」と必死に弁明していた。


 もう影司は頭を抱えて「もうどうにでもなりやがれ」と呟いた。

 

 その後、一日中不機嫌な状態になった影司はリンダとジュディを巻き添えにし、Vレンジャー達に過酷な実践訓練を施したと言う――


*以下その実戦訓練の内容を抜粋


烈『うわー!! 大人げねぇ!?』


影司『うるせぇ!! もうお前達がどうなろうが知った事か!! 殺す気でシゴいてやる!!』


翼『なんつー八つ当たりだ・・・・・・』


淳『殺したら修行の意味ないでしょう!?』


影司『うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』


リンダ「うきゅ~完全にスイッチ入ってるね」


ジュディ「こっちも殺すつもりでいかないと逆に危ないデスね」


春奈『わわわわわ・・・・・・』


舞『私達今日で死ぬのかしら・・・・・・』

 

セシリア『私達強くなったと思ったけど、まだまだだったのね・・・・・・』


*この後皆、ボロ雑巾のようになったので休日作る事になり、闇乃 影司さんは顔真っ赤にして涙目になって土下座してVレンジャーの皆さんやリンダやジュディーに謝罪しました。

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