第5話「メンバーとの接触」

 Vレンジャーメンバーリスト


○日比野 烈(ひびの れつ)

 

 Vレンジャーのレッド。

 変身時の武器は剣

 元一般人で持ち前の明るさから皆を引っぱっている。

 

 どうやらVレンジャーは変身するには何かしらの適正値が必要な戦隊らしく、彼の様な一般人が選出されるらしい。

 

○黒飛 翼(くろとび つばさ)


 Vレンジャーのブラック。

 変身時は専用のアサルトライフルを使う。

 防衛軍からの出向組で二枚目担当の実質的なリーダーと言える存在だが、現在はセシリアに譲っている。

 

 最初は他のメンバーの立場や経緯などから自分以外の候補者と反目していたらしいが今は解消しているようだ。


○緑川 淳(みどりかわ じゅん)


 Vレンジャーのグリーン。

 変身時は槍を使う戦士になる。

 高校生で中性的な女装が似合いそうな顔立ち。

 

 最初の頃は戦いもそうだが槍の扱いに難儀したらしい。 


○黄之 舞(きの まい)


 Vレンジャーのイエロー。

 変身時はガントレットが武器。

 茶髪のショートカットで勝ち気そうな女性。

 Vレンジャーにスカウトされる前は普通に生活しつつも武術を嗜んでいたらしい。 


○四季 春奈(しき はるな) 


 Vレンジャーのピンク。

 変身時は武器はロッドで魔法のような様々な奇跡を起こす。

 ツインテールの髪型が特徴のまだ可愛らしい中学生。

 

 Vレンジャーの中で一番特異な存在。

 計り知れない部分がある。


○セシリア


 顔の堀が深い白髪白肌の青い瞳の女性。

 ルザード帝国に故郷を滅ぼされてゆく中脱出し、Vレンジャーの技術を地球人に託したと言う経緯を持つ科学者であり、同時にVレンジャーのシルバーでもある。

 変身時の武器は剣。



 Side 闇乃 影司


 頭の中でメンバーの事を整理しながら会議室のテーブルを挟んで腰かける。

 眼前にはセシリアを含めたVレンジャーの面々六人が並んで座っていた。

 事前に質問がある時は手を上げてから質問するようにと言う取り決めを決めて話を進行する。


 最初に手を上げて質問したのはシルバーのセシリアだ。


「私はセシリア――Vレンジャーの隊長です。正直、事情が事情なので私としても複雑なのですが・・・・・・」


 その言葉にレッドの日々野 烈が口を挟んだ。


「セシリアの姉ちゃん、俺達助けて貰ったんだぜ。どうして複雑になるんだ?」


 はあと何人かのメンバーはため息をついた。

 影司は「レッドはこう言う奴なんだな」とか「皆、レッドで苦労してそうだな」とか頭の中で勝手に思ったりしていた。


 ふとピンク――四季 春奈が手を上げた。


「あの――私も難しい事はよく分からないんですけど、その今回の事態って確かに闇乃さんの世界の悪い人がルザード帝国に関わったから起きた事なのは分かるんですけど、闇乃さんを責めるのは間違いだと思うんです」


「そうだそうだ。春奈の言う通りだ。俺もその意見に賛成だ」


 ピンクの春奈の意見にレッドの烈が腕を組んで首を縦に振って同意した。


「まあ春奈の言う通りね。助けて貰ったんだし、あんまり悪く言うのは筋違いでしょ」


 イエローの舞も春奈に続く。


「僕も同じです。それにもしも闇乃さんが居てくれなかったら僕達あの場で全滅してましたし」


「・・・・・・」


 グリーンの緑川 淳が自分の意見を発言する横でブラックの黒飛 翼は顔を顰めていた。

 それを察したのか、レッドの烈が絡んでいく。 


「どうしたんだ翼? どうせお前の事だから納得してないんだろ?」


「五月蠅いな。この状況で俺が反対だと言うと俺だけ悪いみたいだろうが」


 それを聞いてイエローの舞が「もう、素直じゃ無いんだから」と茶々を入れ、メンバー達から大なり小なり笑いが起きる。

 セシリアだけが恥ずかしそうに―― 


「すみません。何時もこんな調子なんです」


「いえ、暗い雰囲気よりかは何億倍も増しです。それよりもこれからどうするかです」


 そこでレッドの烈が「そうだ」と呟いて手を上げた


「何でしょうか?」


「なあ? ルザード帝国と協力して一緒に戦ってくれるのか?」


「そうですけど・・・・・・だけど、筋違いではありますが強くなって協力して貰いたいと言うのが此方の本音でして「その話乗った!」決断はやっ!?」

  

 一々テンション高いなコイツとか思いながら、話の展開が思った以上に理想通りに進み、(これがマジもんの戦隊レッドか)と影司は感心を抱いていた。


「それにもっと砕けた口調でいいんだぜ? 命の恩人なんだしさ。俺も烈って気軽に呼んでいいからさ。その変わり君の事、影司って呼んでいいか?」


「う、うん。いいよ――」


 レッドの烈の言葉で何だか影司は照れくさくなり、頬を朱に染めて目線を逸らす。

 影司はこの目で人の闇を、絶望を何度も見てきた。

 それ故かレッドの烈の様な、突き抜けた、芸術的な超とんでもお馬鹿系お人好しに弱かったりする。


 そんな影司の仕草を見てレッドの烈が一言。


「お前男なのに可愛らしいな♪」


「//////!?!?」

  

 そう言われて何故だかとても恥ずかしくなってしまう。

 まともに思考が定まらずオカシクなってしまった。

 何時もは「ありがとう」とか大人のお姉さんみたいな態度で返せるのだがこの時ばかりはこんなリアクションになってしまった。


「確かに可愛いよね。本当に男の子なの?」


「わ、私も気になってました」


 その雰囲気に当てられたのかイエローの舞に続いてピンクの春奈もそれぞれ思った事を口にする。

 場が混沌と化してきたのでセシリアが咳払いして「皆、闇乃さんが困ってるわよ」と、止めに入って一先ず場を落ち着かせてくれた。


「気を取り直して――ともかく装備の強化はスグに完了します。それに合わせて強くなって貰います。それも出来うる限りの短期間で」


 そう言って模型を取り出した。

 それは一見すると自然の景色豊かな城か屋敷の模型のジオラマに見える。

 几帳面にジオラマの周囲は丸い透明のケースで保護されていた。

 

「それは?」とセシリアは当然の疑問を投げかけた。

 

「世界管理局は様々な世界と関わりがあります。これは魔法が発展した世界の住民がとある漫画のアイテムを再現した物です。この中に入って修行して貰います」


 ブラックの翼が手を挙げる。


「わざわざそこに入る意味は?」


「いい質問です。この水晶で一年を過ごしても外ではそんなに時間は経過しないと言う優れ物のアイテムです」


 それを聞いて反射的にレッドの烈がこう言った。


「つまりドラゴンボー○の精神と時の部屋みたいなもんか?」


「どちらかと言うとネ○まのダイ○ラマ魔法球ですが――まあその認識で構いません。てかこの世界にもドラゴン○ールあるのなら話は早いです。これから行う特訓はドラゴン○ール風ですから」


 それを聞いてイエローの舞がギョッとした。


「もしかして地球の何倍かの重力でトレーニングとかもやるの!?」


「勿論ですよ。あ、スーツ着用の上ですからまだ生身でやるよりかはマシだと思って欲しいですね。それと戦闘訓練とかもちゃんとミッチリ――あんまり過ごしすぎると浦島太郎状態になりますし、休みを入れて一ヶ月を基準としましょう」


 そう言って影司は調子を取り戻したかのように笑みを浮かべた。

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