第22話 私は黒子。

10代の頃は時間が余るくらいあって、

昼寝ばかりして無駄に過ごしていました。


20代も仕事があったとはいえ、

まぁそんな感じ。


ところがどっこい。

息子を出産してからは

今までのダラけた時間を借金取りが取立てに来たのでは!?というくらい

自分の時間が無くなりました。


特に睡眠時間は、

授乳の為に2時間置きに叩き起されるという状態が2年半続いて。

(特に息子は寝ない子でした)

こういう拷問ありそうだなと思ったくらいです。


だいたい、授乳2年半って長いのですが、

それを終わらせた途端

息子は夜中に起きる事なく、

嘘のように朝まで眠るようになり、

私は細切れ睡眠地獄から

解放されました。


でも、何かの大変さが終わると

今度はまた違う大変さがやってくる育児。


その時、私の人生はもう息子にバトンタッチなんだなぁと漠然と思いました。


今まで自分の事を考えていれば良くて、

言わば自分の人生の主役でした。


でも、私の時代は終わり、

息子が主役で私は後ろを付いて回る黒子。


話は飛んでしまうのですが、

週末にやるランキング番組。


「F1層が選んだ今週の気になるエンタメ」

というコーナーを見た時も

あぁ、もうこういうのにも含まれないのだ…

とその時も

私の時代は終わったのだと思いました。


何はともあれ、

私が自分を中心に思う生活は終わったのです。


別に私が中心に世界は回っているとか思っていたとかそういう意味ではありませんよ。


自分を先置いてでも、

やらなければいけないこと出来たと言うことです。


それに気づいた時、

少し寂しくもありましたが、

何だか肩の力が抜けて気楽になれた気もします。


もう私は表舞台からは降りたけれど、

息子が良き日々を送れる様に

頑張ろるぞ、おー!


そんな風に思いながらも

初めての連続で余裕は無くて

怒ったり泣いたりしながら

幼稚園、そして今の小学生高学年まで

やってきました。


私は黒子。




ただ、近頃様子が変わってきました。


私の人生は、

どうやらまた私に戻ってくるらしい…。


えぇーー!!

聞いていないんですけど!!


急激に私の時間が私に戻って来つつあるのです。

勿論、息子は小学生なので

まだまだ母親の仕事はあるのですが

黒子ではなく透明人間並の気配の仕事。


いやー、

いつか息子が親元から離れる日が来るのは

知っていたけれど、

私の人生はもう世代交代したと思っていました。


よくよく考えれば、

息子の人生は私から引き継いだ訳でも何でもないし、息子は息子、私は私。


正直、小学校に上がるくらいまで

一心同体の様な感覚だったので

錯覚してしまったのでしょうか。


ヤバいヤバいヤバいヤバい!

でも、私はもう抜け殻状態。


ヤバいヤバいヤバいヤバい!

ちゃんと自分の事も考えていないと

子離れ出来ない親になってしまう〜!!


と、てんやわんやになりました。

まだ先の事なのに。


でも、落ち着いて考えたらいい事じゃないか。自分のやりたい事出来るんだし。


育児をする様になってから、

たまに何かのラッキーで出来た自分時間が幸せでした。


それがこれからは、

わんさかあるではありませんか!!


ただ、私の時間はいつも誰かの都合で

簡単に奪われてしまうのです。


NOと言えない日本人。

次回はこれです。



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