第16話 恋の話
小学生から中学生まで、
私は恋の虜でした。
いつも恋する相手の事で
脳内お花畑で、
ある意味幸せだったと思います。
そのせいで、
今思い返すと悶絶する位に
恥ずかしい事は数知れず。
その中でも、
たまたま今思い出したのは
中学時代のUNICORNの話。
私はUNICORNの大ファンだったのですが、
その頃、周りはB'zやaccess(綴りすら分からない)、ZARD、…その他のミュージシャンが人気でした。
正直、私はUNICORN以外全然覚えていないので、書き出す事すら出来ません。
最初の私の世界の狭さの事でも書いた様に、同じものが好きな人に全然出会えなかったのです。
その反動からか、
隣のクラスに転校生が来て、
その人がUNICORN好きだと知った時にゃあ、そりゃ一瞬で心の中はお祭り騒ぎ。
たまたまその転校生の隣の席が
私の凄く仲良くしている女の子だったので、
「UNICORNの中ではどの曲が好き?」
「民生って広島カープのファンだよね?」
「EBIさんって何型か知ってる?」
等など、
どうでもいい情報を友達を通じて
伝えてもらっていたのです。
今、冷静に考えると
よく知らない隣のクラスの女子から
100歩譲って好きな曲まではセーフだとして、広島カープのファンとか血液型って…
どうでもいいし、ヤバいですよね。
でも、分かってもらいたいのは
私は好きなものについて語り合える人が
欲しかったのです。
もはや、恋でもなく友達になりたかったのだと思います。
そんな事にも気付かずに、
毎日UNICORNの話を
友達経由で伝えてもらっていました。
雑誌で読んだだけの民生の好きな食べ物とか
色とか、近況とか。
すると、
「そこまで詳しいと気持ち悪いって言ってたよ」
とこれもまた友達経由で伝えられ
終わりを迎えました。
その時は大ショックでしたが、
それを言われたことにより
一気に目が覚めて
彼の事は何とも思わなくなりました。
しばらくすれ違う時は恥ずかしかったけれど、失恋の思い出とさえ思っていないのは
ひたすらにUNICORNの話をしたい相手だったからなのでしょう。
相手にも失礼な話ですよね。
こんな風に私の片思い遍歴は
思い返せば
身勝手なものばかり。
でも、勝手にセンチメンタルな気分になり
泣いたり笑ったりしているのが
楽しかったのです。
結局は何が1番好きって
恋をしている自分と時間だったのでしょう。
この話、時系列はバラバラながらも
しばらく続きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。