#13
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新市街の、エリの予約したホテルの部屋にふたりはいた。バイトを終えた駿介くんをエリの赤いクーペで迎えにゆき、そのままふたりはホテルにチェックインした。香港資本のラグジュアリーな高級なホテル。清潔な寝具と、かすかな香の薫り。
裸のふたりはベッドの上。
エリが下になり、駿介くんがエリにおおいかぶさっていた。
駿介くんは、エリの股間に腰を沈める。
「おいで…駿介くん」
エリが言う。
「う…ん……」
駿介くんの硬くて熱いものが、自分の股間のすぐ前にいるのを感じる。
「自分で根元を持って、先っぽで私の割れ目をそっと撫でてごらん」
エリが淫らに上ずった声で言う。
駿介くんは、繰り人形のように、その言葉どおりにする。カチカチに勃起した熱い先端で、トロトロに溶けた谷間の筋目を撫でる。
「あぁぁ…」
それだけで、声が漏れてしまう。
「エリさん……ぼくもう、我慢できないです」
苦しそうな声を駿介くんが漏らす。
「どう…したいの?」
「
「どこ…に?」
「エリさんの……なかに」
「なか? 私のどのなかに挿れたいの?」
切なく潤んだ目で駿介くんはエリを見つめる。仔犬のようだ、とエリは心の片隅で思う。
「言ってごらん。…きちんと、言葉にしてごらん」
エリの谷間をさ迷う駿介くんの先端は、はち切れんばかりに膨らんでいる。
「あぁっ……エリさん…意地悪…
エリさんの……お、おマンコの中に、入らせてください」
ふふ、とエリは微笑する。可愛い駿介くん。
「いぃよ、駿介くん…ゆっくりゆっくり、
許しを得た駿介くんのものが、エリの狭い入り口をかき分ける。途端に、鋭い痛みにも似た快感が、興奮した身体をかけめぐる。
はぁっっっ……!!!!!
どちらともなく卑猥な声をたてながら、ふたりの性器が深く、つながってゆく。
エリのトロけたトンネルをかき分けて、駿介くんが奥を貫き、逆にエリは駿介くんをピッタリと包み込んで締め付ける。
駿介くんは腰を使い、エリの中に熱い杭を何度となく打ち込む。その度にエリの声が漏れる。
あぁ、あぁ、あぁっ…!
若いエネルギーは、エリを高ぶらせる。
性のつながりを味わうではなく、エリに快感を届けるでもなく。
挿入した後の駿介くんは、自らの欲望に忠実なしもべとなる。細かく刻むように腰を振ったかと思うと、激しく奥を突く。淫らな声をあげ、エリの身体を思うがままに堪能する。
もっとパートナーの反応をみないといけないわ、とそこを激しく刺激されながらエリは思う。けれど、その勢いこそが駿介くんに求めているものではなかったか、とも自問する。
いぃ、いぃ、と繰り返しささやきながら、エリは駿介くんの自尊心を満たしてあげる。確かにいま、自分も強い快楽を感じている。このまま駿介くんのピストンによって高められ、絶頂を迎えることができるだろう。
それは演技ではなく、リアルなエクスタシーとして自分自身を貫く快楽になるはずだ。
……けど。
絶頂への坂を上りながら、エリのなかで小さな違和感が芽吹く。自分のいるべき場所は、ここで良かったのか、と。ここが、望んだ場所だったか、と。
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