第39話 告白

今、桜井さんは覚えていると言った。

それを聞いて俺は約束を桜井さんが覚えてくれていた嬉しさと約束を守ってずっと桜井さんを待たしていたとういなんとも言えない罪悪感が襲って来た。

「…ごめん」

俺が謝ると桜井さんは少し笑った。

「あの時も謝ってばっかだったよね」

「………」

この後の言葉が出ない。

「…あのさ。私も謝らないといけない。実は小学生の頃、優希のお母さんが私が転校するって言われたでしょ。あれ、私が優希のお母さんに言ったんだ」

「……!?」

知らなかった。

「実は優希が私の事を好きなのみんなが知っていたんだよ」

「…みんなって?」

「小学校のみんな」

もしかして俺が告白する前から俺が桜井さんの事が好きだと桜井さんは知っていた…。

みんなには隠しているつもりだったのに…今になってめちゃくちゃ恥ずかしい。穴があったら入りたい。

「それでね。私が優希のお母さんに言ったんだ。私がもうすぐ転校することを。…多分だけど、私の方が先に優希の事を好きになったのに告白して貰って、ごめんなさい。だから、今度は私が言うね。私は優希の事が…」

「待って!…今のは違う。俺の方が先に好きになったと思う」

俺がそう言ったら廊下から大声で「そこ?!」と言われた。

廊下を見るとクラスのみんなが隠れていた。

桜井さんが静かにみんなに聞いた。

「…みんな何してるの?」

「…たまたま通りかかって」

絶対に嘘だ。今カメラしまった奴いるぞ。

「優希。また後で…」

「俺は桜井さんの事を今も変わらずに…いや、今は前よりももっと好きです。付き合って下さい」

俺は頭を下げて手を桜井さんに出した。

廊下から「おー」と言う声と拍手が上がった。


「…はい」


桜井さんが俺の手を握って答えてくれた。



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