第38話 覚えている③

夕日で赤く染まる教室に桜井さんと二人きり。

「………」

「………」

桜井さんを呼び出したのはいいが勢いで呼び出してしまってなんて言って告白したらいいのかを考えていなかった。そういえば小学生の時は一晩どうやって告白するかを一晩悩んで考えていたのを思い出した。

「…俺は…その…あの…」

俺は腹を括って桜井さんに思いを伝えようとしたが言葉が詰まってしまう。

すると、桜井さんは小さな声で一言を言った。

「優希。私は覚えているよ」

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