第37話 サプライズ⑦
俺は急いで暗号に書かれていた場所に向かうために階段を駆け上がった。そう、暗号に隠されたもう一つの文は屋上と書かれていた。
屋上に向かいながら桜井さんに電話をかけたが繋がらなかった。
階段を登りきり屋上の扉を開けるとそこには夏穂がいた。
…夏穂?!
「おめでとうございまーす。サプライズの隠れんぼで私ルビーちゃんの所にたどり着けたのは優希さんです。商品の限定特別ライブタオルを差し上げます」
夏穂がアイドル、ルビーちゃんだったのか…。いや、それは今どうでも良い。
「みんながルビーちゃんのライブを待っているから、早く体育館に行こう」
夏穂の手を取って体育館に行こうとしたが夏穂は動かなかった。
「…まだ、まだ私は返事を聞いていませんよ。ハワイの返事を今ここで聞かせてくださいよ」
夏穂の顔は真剣だった。
俺も真剣に答えなければならない。
「…俺には…」
「うぅ…」
優希さんが行ってから緊張の糸が切れて私は涙が止まらなかった。
こうなるとわかっていたのに…。
わかっていて色々と準備をしてみんなに手伝って貰ったのに。
「私の事はいいですから早くいかないと出番が来てしまいますよ。先輩」
ここには先輩が優希さんより先に来ていて隠れてこの告白を聞いてた。
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