第37話 サプライズ⑥

「君は今困っているのであろう。私に相談するが良い!」

確かに今困っているが…この人を信用できるかと言うと…。

「なんだその顔は。私はいくつもの迷宮入り事件を解決した名探偵だぞ」

なんていうか。胡散臭い。

「胡散臭いだと」

おっと。心の声がもれてしまった。

「人がせっかく助けてやろうと思って声をかけてやったのに…うわーん」

探偵を泣かしてしまった。

「わかりました。手を貸して欲しいです。だから泣き止んでください」

「本当に手伝って欲しい?」

「はい。とても困っています」

「フッフッフ。なら、私に任せたまえ、ワトソン君よ」

誰が、ワトソン君だよ!

「それで、何が困っているんだい?」

「実は友達が出した暗号があって…」

俺は探偵に相談した。

良いことは聞けないと思っていた。が、

「なるほど。これは暗号だな」

探偵は暗号を少し読むと笑い出した。

「フッフッフ。謎は解けたよ。ワトソン君これよ見たまえ。確かにこの手紙斜めに読むと『おうちにいるよ』だが、この暗号にはもう一つ文が隠されている」

「なんて隠されているんですか?」

「ワトソン君。違う。そこはなんだってー!っと言うんだ。さぁ言ってみよう」

この人めんどくさいと思いつつも隠された文を教えて貰うため言われた通りにやった。

「なんだってー!」

「フッフッフ。この暗号の始めの文字をを縦に読んでくれたまえ」

俺は暗号の手紙を縦に読んだ。

「縦に…別に文になっていませんけど」

「ノーノーノー。ローマ字にして縦に読んだ」

…!

た、確かに文になっている。

俺は急いでその場所に向かうことにした。


「おいおい。お礼もなしか少年よ。まぁ。私の名探偵のは完璧だったみたいね。後はどうなるのかは少年次第か。…あー私も恋したいな」

これで私の頼まれていた事が終わった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る