第19話 水槽の外⑤

「なぜ、そのことを…。貴様は誰だ!」

やはり、教頭先生だった。

「なんで、こんな事をしたんですか?」

問い詰める。

「そんな事、貴様に関係ない!」

近くにあった、鉄パイプを振り回してきた。

とりあえず、距離を取る。

「あなたは、そんな事する人じゃなかったじゃないですか!なんでこんな事を…ッ」

床にヒビ割れがあり、そこに足を引っ掛けて転んでしまった。

やばい。

教頭先生が、鉄パイプを勢いよく俺に振りかざす。

ガンッ

教頭先生が勢いよく振りかざした鉄パイプが止められた。

止めてくれたのは、真っ白いスーツみたいな服に白いマント。そして、白いヘルメットを被って、顔を隠した人で、白い警棒を使って、鉄パイプを受け止めてくれている。

「あのー。ありがとうございます。どちら様でしょうか?」

「…ヒーローがピンチの時に現れる。ヒーローを助けるヒーロー」

本当に誰だ?

教頭先生がもう一度、鉄パイプを振りかざすと、受け流し、バク転で後ろに下がった。

いや、本当に誰だよ!

たしかに、ヒーロー物で、ヒーローがピンチの時に強い仲間のヒーローが現れたりするけどさ、こんな運動神経がいい人、知り合いにいないんだけど。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る