第19話 水槽の外④

めちゃくちゃな、戦いになってきた。

いつの間にか、お姉ちゃんは敵の大将らしき大男と戦っていし、お猿軍団酒場の会はノリノリに、

「ウッキィー」

「キキィーキー」

「うっひゃー」

…?今、お猿じゃない鳴き声の人がいたぞ!

「優希…じゃなくてライオン優希見てあれ」

光が指を指した先には、見覚えのある人がいる。こちらが見ているのを気づいて奥に逃げていった。

「ライオン優希ここは、私たちで食い止めるから、あいつを」

「わかった。狼女

「その呼び方、明日からしないでね」

怖ぇ。可愛らしく言われたのに殺意を感じる。


(あの馬鹿ども、何のための人質かわかってねぇな。こういう時のためにあるのに)

そう思いつつ、人質の娘の場所に行く。

「待て!」

ライオン優希が追いついてきた。

「あなたは、常灯高校の教頭先生でよね?」

ライオン優希が問う。

教頭先生は、とてもいい人で、自ら進んで校内の掃除などをしていた。だから、本当に教頭先生かどうかを確かめていておきたかった。

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