第20話 外の世界は素晴らしい①
目の前ですごい戦いが繰り広げられている。
白い人と教頭先生の戦いだ。
教頭先生は、適当に振り回しているだけと思っていたがしっかりと、鉄のパイプを両手で構えている。多分、剣道をやっていたのであろう。
それに比べて白い人。この人の構えは、独特で、本当にヒーローみたいな構え方をしている。
「ここは、私が食い止めているから、あなたは奥の子を!」
白い人に言われた。
「誰かは、知らないけど、ありがとう。今度何か奢るよ」
そう言い残して、先を急ぐ。
奥に行くと、縛られて倒れている霧街さんがいた。
「霧街さん、大丈夫ですか?」
「………」
やばい。意識がない。急いで病院に連れて行かないと。
霧街さんを抱きかかえ来た道を戻る。
「…もう、…」
霧街さんが意識が戻った。
「大丈夫ですか?今すぐ病院に連れて行来ます、から少し待ってください」
そう言いながら先を急いだ。
「…もういい…ッ…下ろしてください」
少し驚いた。が、立ち止まらない。
「なんで?なんで、そんな事言うんですか?」
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