第19話 水槽の外②

廃墟の中

大男は、嘆がいていた。

「連絡遅いなぁ。てか、この人質、大丈夫か?」

人質が、今にも死にそうな顔をして倒れている。

さっきまで、

「私にそんな価値ない」とか「父は、私を見捨てている」だとか、言っていたのに。

それにしても可哀想な父親だ。

娘のためにどれほど尽くしているか、ことの本人は、気づいてもいねぇ。

まぁ、俺には、関係ないか。死んだら死んだ時だ。


廃墟の周り

「見回り退屈だなぁ」

「UNOでもするか?」

「いや、いい」

大男の手下二人が、廃墟の周りを見張っていた。

「ぐっはぁ」

「なにぃ。だれ…か…うぐぅ」

一瞬の出来事だった。一人は殴られて気絶。もう一人は首を絞められて、…多分気絶。

一応、息をしているかを確認。

大丈夫、息してる。

「よし、行こう」

バンッ

廃墟の扉を蹴破った。

「誰だ?」と大男が叫ぶ。

「つ、月の光に照らされた。狼女

「馬みたいな速さ。馬男相馬

「地上最強の柔道家。ゴリラ千花

「や、優しさと希望の味方。ライオン優希

それぞれが名前の動物の被り物をしている。

「「「「四人合わせて、正義のヒーロー。動物仮面」」」」

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