第19話 水槽の外①

「さて、どうしようか?」

今、霧街さんが誘拐されてどうしようかを俺の家で会議している。

桜井さんには、何も教えずに、帰ってもらった。巻き込みたくなかったからそうした。

だから、今ここにいるのは、俺と光、それと相馬を呼んで三人だ。

龍樹も呼ぼうかと思ったが、龍樹は、今大阪でゲームの大会に仲間と出に行っているので呼ばなかった。

「やっぱり、警察に連絡するべきじゃないかしら?」

光の言う通りかもしれない。だが、

「警察には、連絡しない」

「さすが、アニキ。警察に頼るまでもないってことですね」

そんなわけあるか!

相馬は、賢いのにたまにズレている。

光は、黙っている。

おそらく、俺が何を考えているか、もう分っているみたいだ。

俺は、相馬を黙らせてから、理由を話した。

「理由は、二つある。一つは、時間がない。霧街さんは、空気の病気で長時間外にいるのは危険だからだ」

だから、少し焦っている。こうしている間も霧街さんの体調は、悪くなっていると思う。

「そして、もう一つは、…俺のお姉ちゃんが来たからだ」

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