第18話 会ってみたい人②

やっと、やっと告白する気になったのね。

私は、そう思いながら夜の学校に来た。

学校の門の前で優希が待っていた。

「桜井さん、実は会ってもらいたい人がいるんだけど…」

…告白じゃな…なかった。


非常階段を桜井さんと下りて行く。

霧街さんは、桜井さんのファンで、ドラマも何回も見ているらしい。

この学校に桜井さんがいることを知って(光が教えた)、俺に、桜井さんを呼んで来て欲しいと頼んだのだ。だが、

「桜井さん。ここ、暗いから気を付けて」

「………」

明らかに桜井さんの機嫌が悪い。

も、もしかして、告白されると思ってたのに違うかったから怒っている(※正解)…そんなことないか。

いや、今こそ告白する、チャンスじゃないか。

急に立ち止まったから後ろにいた、桜井さんが俺の背中に少しぶつかってしまった。

「さ、桜井さん。俺、桜井さんのこ…」

「早く、行ってくれない。後ろつっかえてるんだけど」

この声は、

「光⁈」

振り返ると桜井さんの後ろに光がいた。

スルッ

「あっ」

「「あっ」」

俺は、足を滑らして、転がっていってしまった。

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