第16話 番長からの…①

最近、光と相馬が来なくなった。そのかわり錦城君がよく来るようになった。

「錦城君、いつもいつも来なくていいよ」

龍樹たつきでいいですよ、アニキ」

「いやいや、君の方が一つ年上なんだから」

「じゃあ、先輩と呼ばせてください」

何が変わったかよくわからない。

龍樹は毎日のように来ては、色々やってくれる。

そして、見た目からは全然想像のつかないくらい女子力が高い。この前なんて、すごいクオリティのケーキを作って来た。

本人が言うには、母親に色々仕込まれたらしい。

ドンドンドンドン…

扉を叩かれ急いで扉を開けた。

「おめぇが、ここの番長らしいな。お前を倒して俺がここの頭になる。表に出な、タイマンだ!」

なんか変なの、キター。

「すいません。僕は頭では、ありません。人違いです。お帰りください」

「ふざけんなぁー」

バシッ

家に来た不審者が俺に殴り込んできたその拳を龍樹が止めた。

「先輩に手ぇ出すとは、いい度胸してんなぁ?」

バンッ

龍樹が不審者の顔面を殴り、不審者ノックアウト。

「こいつ交番に連れて行け」

龍樹が言うと、どこからか、二人が来て、「了解です」と言い、不審者を連れて行った。

「今のなに⁉︎そして、今来たの誰⁉︎龍樹の友達?」

龍樹は、ゆっくり説明してくれた。

「今のは、最近見ないツッパリと言うものです。今来たのは、僕の舎弟です」

いや、舎弟です。じゃねぇよ。

「ずっと、待機させてるの?」

「はい。いつ、こんな感じのことが起こるかわからないですから」

普通起こらねぇーよ。

そういえば最近、道を歩いていると「番長おはようございます」など言われる。

絶対にこいつのせいだ。

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