第6話 朝の訪問者①

ピンポーン。

………。

ピンポーンピンポーン。

……… 。

ピンピンピンピンポーン

ピピピピピピピピピピ…

「いや、うるせー」

勢いよく扉を開ける。

扉の前には、幼い女の子。

「ライバルを呼びに来たのよ!」

この幼い女の子は、幼く見えるが、実は、同級生。

名前は、野輪 光(のわ ひかり)。

小中学も一緒で、光は、ずっと成績が学年一位だったが、俺が追い抜かして一位になった時から俺の事をライバルと言ってきている。

時刻は、七時前、高校に遅れないように出るには、八時に出たらいい。

圧倒的にに早い。

「いや、早すぎるだろ」

「優等生は、これぐらいしないと、桜井さんも、もう来てるかもよ。今なら人もいないし、チャンスかもよ。告白できないヘタレさん」

うぐぅ。痛いところをついてくる。

光は、小学生の頃、俺が桜井さんに告白していたのを見ていたらしく、それでたまにおちょくってくるのだ。

「わかった。二十分くれ。それで準備するから」

「いいわよ。お邪魔しまーす」

「中に入るの?」

そう聞くと、優しい声で、

「えっ。まさか、二十分も女の子を外で待たせようと思ってるの?」

優しい声なのが逆に怖い。

「あ、エロ本とあるなら、少し待ってあげるけど」

「ないから!」

「じゃあ、お邪魔しまーす」




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