第5話 後悔
「ふはぁー」
おっさんみたいな声を出しながら湯船に浸かった。
俺は、アパートに一人暮らしていて、お風呂がないから近くの銭湯に来ている。
今日も告白できなかった。
正直に言うと、悩んでいる。
もしかしたら、告白して、
「そんなの引きずってるの、キモ」
なんて、言われるかもしれない。
…それでも、やっぱり桜井さんの事が好きだ。
「ハッ」
自分よりも、一回り大きい人を投げ飛ばす。
「はい。カットー。迫力があるいい演技だったよ」
「いえいえ。監督あんまりでした」
スタジオにいるみんなが「そんな事ないのになー」と思った。
私は、今怒っている。
今日また、中島に告白されたからだ。
クラスのみんなは、知らないみたいなんだけど、実は、一年生の時から色々な方法でずっと告白されていた。
本当に疲れる。
「次のシーン、撮るよ」
「わかりました」
ちなみに、私は、新しいドラマの撮影の為に、スタジオに来ている。
学業が落ち着いたから、活動を再開する為に。
「なんで、分かってくれないのよ」
「はい。カットー。よかったよ」
「ありがとうございます」
そして、もう一つ、怒っている。それは、告白してこない事だ。
いや、もしかしたら、忘れられているのかもしれない。時よりそんな不安がよぎる。
私が、もしかしたら。そう思い、テレビで入学する高校を言ったら、同じ高校に入って来た。それなのに、告白してこない。
小学生の頃、あんな約束したから、私からは、告白できないのにー。
「じれったい!」
「カット。桜井ちゃん。ここのセリフ違うよ」
「す、すいません〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます