第1章「ギフテッド」10
「『自分の知り得る限りの未来を一瞬だけ知る才能。但し、自分の意思では発動できない』です!」
沈黙が場を支配する。二秒、三秒……
とうとう隼人が堪えきれずに吹き出した。つられて蘭も吹き出した。マスターは吹き出してこそいないが満面の笑みを浮かべている。
「な、な、なんじゃそりゃーーーーーーーーー‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
裕輝の絶叫が響き渡ると隼人と蘭は腹を抱えて笑い始めた。あまり感情を表に出すこともなさそうなマスターでさえも口を開けて笑っている。
「僕の『
「こんなにピーキーな性能をした『
「私も今まで色んな人の『
二人は笑いながら裕輝の『
たまったものではないのは裕輝だ。これからずっとこんな使いにくそうな、いや、そもそも自分の意思では使えない『
その後、一頻り笑った隼人は手を顎に当てて渋い顔で「難儀だな」と呟いた。その言葉にマスターも頷く。蘭は「何が?」と首を傾げて隼人に問う。
「自分で『
蘭はハッとした顔をして口元に手を当てた。裕輝は怪訝な顔をして「どういうことですか?」と尋ねる。
「まだ説明してなかったが、『
「決まり?」
「個々人によって違うが、『
「『
「裕輝くんは自分の意思で『
「自分の意思で戦いから解放されることはできない。そういうことですか?」
蘭は無言で頷く。裕輝は天を仰いだ。なんということだろう。天使の勝手で巻き込まれながら、裕輝には自分でそれを終わらせる自由さえないのだから。あまりにも理不尽だ。
蘭が慌てて「『
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