第1章「ギフテッド」9
「そんな天使どもの苦肉の策の産物たる『
「隼人さんの『
「当然。俺の『
蘭が渋い顔をして隼人を見る。まるで何かを非難するかのように。
裕輝はそんな蘭の表情には気がつかない。隼人が『
確かに隼人はあの現場に現れた際も戦いの最中もタバコに火をつける時も、必ず指を鳴らしている。あの動作にはそんな意味があったのかと裕輝は納得する。
「どんな『
「つまり、単純な力ほど強いってことだよね。その分簡単には使えないけど」
「そうだ。説明の短い単純な『
「……例えば『火を操る才能』があったとしたら、それは隼人さんの『自在に爆発を起こす才能』よりも高位で強力な『
「そうだ。それを踏まえて今からお前がどんな『
「確かめる? そんなことができるんですか?」
裕輝がそう言うと蘭が勢いよく手を挙げて立ち上がった。その際、ミニスカートがひらりとめくり上がったが彼女にそれを気にする素振りはない。逆にスカートの奥にある布地を目にしてしまった裕輝の方が赤面したくらいだ。
「はーい、ようやく私の出番だね。待ちくたびれた」
蘭は背をぐーっと伸ばすとまっすぐに裕輝を見据えた。
「私の『
「えっ、いきなりですか!」
有無を言わさず蘭は自身の『
「はい、終わったよ〜」
「早い!」
「そりゃ見るだけだもん」
「で、どうだ?」
隼人が問いかける。蘭は眉間を押さえながら「う〜ん」と唸る。
「ちょっと待ってね〜。今言語化するから」
蘭はしばらく「う〜ん」と唸った後、突然「できた!」と叫んで顔を上げる。
裕輝はゴクリと唾を飲む。自分に宿った不思議な力の正体を知るのだ。緊張しないわけがない。これで破格の性能をした『
「じゃあ、発表します。裕輝くんの『
蘭が一同を見渡す。裕輝のみが緊張した面持ちでいる。
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