父親見習いの日々のこと

 子供ができると生活は子供中心になります。頭では理解してましたが、どうしてなかなか。


 長男が生まれた直後から、派遣先は秋葉原駅の近くになりました。

 仕事終わったら家には手のかかる赤ん坊がいるから、女房助けるためにもはやく帰ってやらなきゃいけないわけですが、帰宅前に秋葉原の店をのぞいてみたくもなるわけです。で、駅前の店に入ってしまう。

 そしたら、店員さん同士の会話が聞こえてきました。

「店の前の通りに待機している面々、『電車男』のロケスタッフだって」

「ホント? じゃあ中谷美紀くるかな?」

 それ聞いた私は女房にケータイでメールしました。


「電車男のロケやるみたいだから帰り遅くなってもいい?」


 即座に女房からの着信が。出ると女房は無言で、代わりに赤ん坊のギャン泣きの声が延々と……


 すみません、すぐ帰ります。


 この2ヶ月後の2005年6月に「電車男」は劇場公開されました。子供を私の実家に預けて、女房と実家近くの映画館で観てきました。ロケはラスト近くの夜の秋葉原の場面だったようです。時期的にこれがクランクアップだったのかも。


 休みの日は、どこに行くにもベビーカー押してました。女房に自由な時間を作ってあげる意味もありましたが、何より子供と一緒にいるのが楽しくて仕方ない。電車に乗って新宿や秋葉原にも行きました。赤ん坊連れてメイド喫茶に入る客は私くらいなもんでしょう。

 2006年(平成18年)の世界大会にもベビーカーで行きました。場所はいつもの原宿の代々木第2体育館ではなく、千駄ヶ谷の東京体育館。

 会場でダニー・ハキムさん(現・Budo for Peace代表)にも久しぶりに会いました。そして市原先生にも。

 その時の、市原先生が1歳の息子と一緒に写ってくれた写真がどこかにあるはずなのですが、現在データ含めて行方不明です。引っ越しの時の処分品に紛れてなければいいのですが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る