国際松濤館と市原先生のこと その1
結構書き進めてきましたが、この辺りで国際松濤館と市原先生についての説明をさせていただきます。
一般の方々を置いてけぼりはいかんですからね。
まず、空手の歴史から大雑把に説明いたします。
ご存知の通り空手は沖縄発祥の武術です。
中国南方の「南派拳法」と呼ばれる武術をベースに琉球王国の武士階級の間で秘密裏に継承されたものが、近代に日本本土に渡り、柔道と同様に危険な技を排除して
琉球から日本に空手を伝えた人の1人が
ここら辺、いろいろ細かい話もありますが、お好きな方は是非掘り下げてお調べください。
とにかく面白いのは、占領された側(沖縄)が占領した側(日本)に「俺たちはお前らより強い。だから教えてやろう」と乗り込んでいって、実際に強さを証明して日本の格闘文化を上書きしてしまった点です。
しかも琉球がヤマトに対してやった事を、今度は敗戦国日本が欧米に対して行います。本質的に空手が持つ反逆の遺伝子の為せる業でありましょうか。
さて、日本空手協会が戦後海外に片道切符で送り出した指導員第1号、それがセンセイカナザワこと金澤弘和館長です。
あ、現在の国際松濤館館長は長男の金澤伸明先生ですが、この話では基本的に道場での出来事が20年以上前になりますので、先代の金澤弘和先生(現・宗家)を館長と表記いたします。ご容赦ください。
で、金澤弘和先生ですが、戦後の1957年(昭和32年)、第1回日本空手道選手権を右腕骨折しながら蹴りだけで優勝。「拳児」でも描かれた有名なエピソードです。
ちなみに、総本部で「拳児」を知っていたのは、私が引っ張って入門させた友人の西崎の他には現館長の伸明先生だけでした。
空手やる人は基本的にマンガとか読まないんだなあとしみじみ感じた次第。
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