第5話 助手の脳内会議

助「えー、では 第n回」

 「"博士をその気にさせる"会議を始めるのです」

 「司会・進行は 私、オリジナル助手が行うのですよ」

 

助「ほかに集まってもらったのは・・・」

 「ワシ的部分助手」

ワ「ワタシ ハカセ タベル」


助「理性的部分助手」

理「素数を数えて落ち着くのです」


助「不純的部分助手」

不「今日の博士の下着は、おそらく黄色です」


助「ぶぼぶぼ」

ぶ「ぶぼぶぼ」



助「以上四名が集まったのです」

理「ちょっと待つのです」


助「なんですか理性助手」

理「なんですかこのぶぼぶぼは」

ぶ「ぶぼぶぼ」

助「学名助手です」

理「完全にワシミミズクなのです」

助「私たちもそうなのです」

理「いや、そうじゃなくて・・・」

ぶ「ぶぼぶぼ」

理「ぶぼぶぼ」


助「落ち着いたので話を進めるのです」

 「会議の目的は、どうにかして博士から襲われるようにすることなのです」

ワ「(スッ)」

助「はい、ワシ助手」

ワ「ワタシ ハカセ タベル」

不「話を聞くのですよ、このアンポンタン」

 「"私が"襲うのはよくないのです」

 「"博士が"葛藤や罪悪感を胸に襲ってくるのがいいのです」

理「自分がこんなことを思っているなんて信じられないのです」


助「そんなこと言っても、不純助手」

 「私は毎晩博士の下着をキめているのですが」

理「衝撃の事実 まさか毎晩だったとは」

助「博士はなんだか気付いているようなのです」

 「これはもう容認しているとみてもいいのでは?」

理「博士・・・(絶句)」


不「おそらく、下着程度はくれてやるということなのでしょう」

 「博士は心が広いのです」

 「好き 毎晩しゃぶりたい」

理「こじつけもいいとこなのです」

 「一回首折られたのを覚えていないのですか」

助「首を折ってくるのは親愛の証なのですよ」

 「折るときに、博士が胸を押し当ててくれるのがたまらないのです」

不「これは、もしかしてプロポーズなのでは・・・?」

ワ「ハカセ タベタイ」

理「なんだこいつら・・・」

ぶ「ぶぼぶぼ」

理「ぶぼぶぼ」


助「で、では 博士は私を愛している・・・!?」

不「あー! あー! 可愛いー!!」

理「確定事項にしやがった」

 「頭クルクルパーなのです」

不「あと一押しでイけそうなのです」

助「私はもうイけてるのです」

理「こいつらと私が同じ存在だなんて」

 「なんとひどいことを」

ワ「えっと、その、気を落とさないで・・・」

理「(普通に喋ることができるのか・・・)」


助「よし! そうと決まれば・・・」

 「どうやって追い込めるかを考えるのです!!!」

不「ふへへ・・・」

 「博士ぇ・・・(うっとり)」

理「かばんとほとんど考えが違わないのです」

 「ロクなこと考えてねぇな?」

か「失敬な」

理「(コイツ・・・ッ 直接脳内に・・・!?)」



不「自分がしてほしいことは」

 「なんとなく、行動に現れるはずです」

 「それは博士にも当てはまると思うのです」

助「では、博士の行動を挙げていくのです」

理「ようやくまともに進行する・・・」

 「会議内容がそもそもおかしいですが」


・・・


助「寝落ちしていた時に毛布を掛けてくれたのです」

不「転んだ時、心配してくれたのです」

ワ「お腹すいたとき、ジャパリまんくれた・・・」

理「眠れないとき、一緒に星を見に行ったのです」

助「かばんがいないとき、料理を作ってくれたのです」

不「頭を優しく撫でてくれるのです」

ワ「・・・博士、自分のをくれた」

ぶ「私を、笑わなかった」

 「褒めてくれた」

 「一緒にいてくれた」

理「ぶぼぶ・・・ あれ?」

 「(喋ることできたのか・・・)」


・・・


不「・・・はあ」

 「だめですね」

ワ「博士 博士・・・」

理「自分が申し訳なくなったのです」

 「ほら ワシ助手、泣き止むのですよ」

助「この気分のまま、会議を続けることはできないのです」

 「でも、博士が好きである事を再確認できたのは」

 「とてもいいことなのです」

理「いつか、振り向いてくれると嬉しいのですが」

助「まさか」

 「博士はいつも、みんなを見てくれているのですよ」

 「・・・私だけを、見てくれないだけで」

不「贅沢すぎるのです」

 「構ってもらえてるだけマシなのです」

助「・・・」

 「今回は、これで解散です」

 「また、いつか」







____________________________


助「はッ!?」


博「起きましたか」

 「私の下着を盗むのはやめろとあれほど」

助「・・・首を折られていたのですか」

博「? そうなのですよ」

 「全く・・・ 反省することはないのですか」

助「はい」

博「コイツッッッッッッ!!!」


博「・・・ふぅ」

 「まあ、いいでしょう」

 「夕飯がもうすぐできるのです」

 「サーバルたちもいるのですよ」

助「そうですか」

 「じゃあ早速向かいましょう」

博「マジで反省してないな?」


博「・・・そんなことしなくても」

 「私は助手が望むなら・・・」

助「博士? 今なんと___」



か「うおおおおおおおおおお!?」

 「待って! サーバルちゃん待って!!!」

 「落ち着いて! 落ち着い・・・ ぐふっ」

キ「かばんさーーーーーーん!!!!!!」

サ「狩りごっこだね!!!!!!!!」

 「負けないんだから!!!!!!!!」

カ「誰よ! サーバルに赤い実食べさせたの!!」



博「かばんのやつ!!!!!!」

 「やりやがったのです!!!!!!!」

 「助手ゥ!!!! さっさとするのです!!!」

助「あ、博士・・・」


助「行ってしまいました」

 「・・・ふむ」

 「今日の下着は黄色ですか・・・」












その日の夜、助手は意を決して博士にちゅーしようとした


結果首を折られたが、その顔は安らかであったという・・・


博士に襲われる日は、まだ遠い







____________________________


人物紹介


ワシ的部分助手

助手のワシ的な部分が脳内に現れた存在

片言で話すが、これはキャラ作りである

本当は弱虫ですぐに泣く 守護らねば・・・


理性的部分助手

助手の理性が脳内で肉付けされた存在

マトモな思考をするため、一番苦労している

若干性格が博士に似ている


不純的部分助手

不純な部分が多いので、ほぼ完全に助手そのもの

博士の優しさに救われている

脳内会議では皆勤賞を受賞した


ぶぼぶぼ

学名助手 bubo bubo

滅多に喋ることがない

助手の根底部分のため、元動物の姿になっている


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