24話 今日のブレンド
「さて、
「了解です?このまま駅内にあるスタバでコーヒーを頼みましょう!」
岐阜駅の改札を抜けて開口一番、
スターバックス略してスタバ。皆の常識…なのかな?まぁ知らんけどそのスタバは岐阜駅内にありコーヒー買ってそのままどこかに行くという話になった。
因みに、電車内で決めたことである。コーヒーを買ったらどこ行くかは私は知りませんよ?うん。なんか「私が決めるから、黙ってて。これもお楽しみだから」とか言われてお預けくらった。教えてくれてもええじゃんか!
「それはそうとスタバって全然行ったことないんだよね〜」
人生で二回かな?スタバに行ったことあるのは。東京に住んでた時とこっちで一回だから二回だ。この独り言に
「私もほどほどにしか…」
と言ってきてコーヒーなんて飲みそうじゃないもんな、と思った。
それに、と続いて。
「コーヒーの種類とかも知らないし…頼む時はカフェオレでいいかな〜」
「僕の場合はブレンドコーヒーは美味しかったのは覚えてる。あとは小学校の頃にカフェモカを飲んで合わないなと実感したことくらいかな?」
「はーい!質問です。ブレンドって何ですかー?」
「よくぞ聞いてくれた
「へぇ〜。なんかおもしろそう。えっとブレンドコーヒーだっけ?それには例えば何があるの?」
少し興味を持ったのか鈴蘭のような尼顔に気色を浮かべた
モカ…カプチーノ…カフェラテうーん…やっぱりあれかな?
「オリジナルブレンドが多いからあまり僕も知らないけどアイスコーヒーが個人的には好みかな。複雑すぎる味も悪くはないんだけどわかりやすい味というかなんというかまぁ僕はアイスコーヒーだよ」
「アイスコーヒーは聞いたことあるけど、あれってブレンドなの?家で飲んだことはあるんだけど二つのコーヒー豆が使われて味はしなかったよ?」
「ああ、それは多分普通のアイスコーヒーだからだよ。ブレンドってのはその普通になにかを足したのがブレンドなんだ」
「なるほど…奥深い。コーヒーにもここまで奥があるとは」
「ちなみにコロンビア産、ブラジル産、キリマンジャロ産、サントス、マンデリンって色々あるけど有名なのはコロンビアとブラジルだね。このコロンビアとブラジルのコーヒー豆を5:5の比率でミックスしたのをブレンドって言う。オーケー?」
「理解。物知りだねー」
「どうも。お褒めにあずかり光栄です。さて付いた。なに頼むかメニュー見て決められるから悩みすぎてもあれだけどしっかり悩んで決めるといいよ〜」
僕はもう既に決めてある。前から飲んでみたいと思ってた物があるんだ。
「次のお客様どうぞ〜。メニューはお決まりですか?こちらどうぞ」
ニコっと営業スマイルを浮かべてメニューを差し出してくる。横目に前髪が耳にかかっている
「おーい。
「うーん…ラテって言うのが飲みたい。これでいいや」
「了解。えっと、じゃあトールのドリップとラテ一つずつお願いします。テイクアウトです」
「かしこまりました。こちらに移動して出来上がりましたらおよびします」
店員さんに飲むものを頼んで右サイドにずれる。そしたら「ねぇ」と横から聞こえてきたのでなに?と聞く。
「なんでブラックコーヒーにしたの?なんか、ブラック飲める俺カッコいい的な?言っておくけど全然カッコよくないからね?」
「何もそこまで…。ただ単にドリップを飲んだ事なかったからなんだけど。カッコつけるも何もつけてどうするの?そういう言葉は偏見だからあんまりし言わんほうがええよ」
「え?あ、そう、だよね。ごめん。なんか可笑しかった」
ふむ…色々と悩みがあるらしい。ま、根掘り葉掘り聞くつもりもないけど。
後ろに並んだ人達はエスプレッソを注文したみたいだ。よく勘違いする人がいるけどコーヒーとエスプレッソは全くの別物だ。いやコーヒーという点は一緒だけど。
普通の一般的なコーヒーは焙煎して挽いたコーヒー豆にお湯を注いで抽出したもので確か…ドリップ式というやり方だった気がする。やり方にはフレンチプレス式やサイフォン式、ペーパドリップ式と色々あるけどドリップ式が王道かな?…
エスプレッソは、エスプレッソマシンという専用の機械を使って豆に圧力をかけて一気に抽出するコーヒーの事。ちょっとした雑学だけどエスプレッソはイタリア語で意味は[急行]という意味。なんかデミタスとも呼ばれているらしい。
あ、ここのエスプレッソマシンは電気式らしい。ピストンレバー式と電気式と二つあって電気式はモーターとポンプの力で圧力をかけるし、ハイエンドマシンだから途中で圧、温度を変えたりとできる。こちらは最新式でごさいやす。で、ピストンレバー式はバネの力で圧力をかけて抽出するやり方で、ピストンレバー式だと途中から抽出を止めることが出来なかったりと最近の技術には負けてしまっている。
さて、話を戻して。それを踏まえた上で、エスプレッソは短時間で抽出するからか
雑味を出さずとても美味しい。飲んだことないけど。
「あ、呼ばれたよ。ありがとうございます。ささ、ドリップとラテが出来上がったことだしいざ出陣!で、どこに行くの?」
店員さんのありがとうございましたの声を背にして、当然気になっていた目的地をたずねた。
「図書館。それと、さっきはごめんなさい…それにちゃっかり払ってもらってる」
「あーもう気にしてないから。今後は控えよう!それと、お前さんが財布出すのが遅いから払うことになった。お釣りはあげんよ?まぁ、いいや。で、図書館ですかまぁ、近いからいいけど」
では!さっそく、買ったコーヒーを飲んでみることに。
「いざ、初ドリップ!ごくっごくっ…て、苦ーい。ダメやこれは。もう無理だ。飲めないことはないけどコクが…うっ」
「あはは、馬鹿じゃん。んじゃ私も〜と」
ゴクッとラテが飲まれる音がする。うーん…ちょっと僕の合成してみようかな…。
美味しそうに飲む姿を見てたら、悪いことを思いついてしまった。いや、だって気になるし…。ねぇ。コホン。
「どう?ラテは美味いの?」
「美味しい〜♡甘みがはっきりしてる。これ以上の表現がわからないほどだよ」
じーと見ながら、その手に持たれているラテを見ながらひょい、と手で取ろうとしたけどあえなく失敗。ちぇっ。
「あげないよ〜。頑張ってそちらをお飲み!あ〜ラテ美味しい」
この方、喧嘩売ってますね。わざと、僕の前で言ってきてるわ。
取り敢えず新たなブレンドに作ることは失敗したようです。
そんな会話をしながら、駅内を出るのだった。
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