第3話
「──あ、お前、ちょっと」
俺の背中をハンドアームが叩くと、一歩踏み出してしまった。当然、そこがパーティ会場ならば足が着くはず。しかし俺の足は宙を蹴った。
嘘だろ──
俺は暗闇の中に沈んでいった。
◼️
弾ける音。いや、なんだこの音。……ああ、分かった。拍手だ。
「さあ、皆様大変長らくお待たせしました!! ヒーローの登場です!!」
地面が動き出す。俺が今、突っ伏しているこの地面が流れるように前に進む。……無事に到着した? 聞いていた仕組みと違う動作をしたあの扉。薄桃色の不気味に佇んでいた扉。それは、俺に不安を残した。
明かりが差し込むと、周囲の様子がよく見える。青い地平線がどこまでも広がり、白い雲が疎らに浮かぶ。その間を縫うように透明に近い椅子が用意されており、上級市民が座っていた。多すぎて数えきれないほどだ。これは、まるで空の上に設立された舞台。
どうやらこれがパーティらしい。
俺が突っ伏していたのは、超小型の飛空挺。最高峰の技術が注ぎ込まれて出来てたものだろう。大昔にあったスケートボードに少し似ている。
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