第012話 トラブル
僕らはフリッツのパーティーに(金目当てで)参加する事になった。
「こちらこそよろしく頼む」
フリッツ、ニール、セイナはお互いに顔を見合わせて喜んでいた。
「明日14時、ギルドに集まって一緒に準備をしよう。出発は明後日の予定だ」
「えっと、お金の方はあまり持ち合わせがないのですが……」
既に僕は借金生活なのだ。ここへきて先立つ物を渋る。
「準備に必要なものはパーティーの運用資金から出すのが普通さ」
「なるほど」
ギルドといいパーティーといい、高待遇で本当に助かりますな。
「じゃあ明日、よろしく頼む」
「ええ、よろしくお願いします」
…………
僕とカヨは遅めの昼食を取っていた。
「あ、このクルミパン、ふっくらしてて美味しい」
「クルミ? あ、ホントだ。これクルミだ」
パンに入っている大きめの粒を取り出した。それは元の世界にあったクルミそっくりだった。
「でしょう?見た目も味もクルミよ」
「……この世界にも馬とかいるし、魔物以外の生き物ってあまり変わったのいないのかな?」
魔物である巨大クロクマやオオヤミヘビのような生物は元の世界にいなかったが、魚や馬、植物は今のところ変わりない世界に見えていた。
「そうねぇ……もっとこの世界の知識が欲しいわ」
「明後日には街の外に出る事になるし、今日明日でお互いのスキルブックを読破するか」
「いいけど……私のスキルブックは殆ど読んじゃったわよ?」
「じゃあカヨが読み切った時点で本を交換しよう。僕も魔法をある程度覚えておきたいし」
「分かったわ」
二人は食堂を後にして自室に戻った。僕はスキルブックを読み耽っている。
「何々? 毒の種類によっては、言葉が出せなくなるものもあります。解毒魔法が使える場合でも解毒薬を常備しましょう……なるほど、確かに……」
僕のスキルブックはそういった基礎知識やサバイバル技術について多く書かれているようで、まさに生きていく上で非常に有用である。
中には一般常識や使わないであろう知識もあるが、知っていて損はない。
「……男女で長期の旅をする場合、避妊しましょう。妊娠すると女性のパフォーマンスが著しく低下して、旅の危険が増えます……だと? この世界に避妊具ってあるのか?」
ーーー コンコン
扉をノックする音がした。
「はい」
僕は鍵を外して扉を開ける。
カヨが本を片手に立っていた。普段のポニーテールとは違い、長い髪を下ろしている。
「読み切ったから交換しましょう」
「分かった、持ってくるよ」
スキルブックを持ってこようとした時、彼女は僕を呼び止めた。
「待って、多分一緒に読まないとダメだと思うわ」
「どういう事?」
「こういう事よ」
カヨはスキルブックを部屋の奥に向けて無造作に投げる。3mほど飛んで、床に落ちる前にスッと消えてしまった。
「クローゼットにしまっても消えたから、見える範囲じゃないとダメみたいね」
彼女はヤレヤレといったポーズを取った。
「なるほどね。じゃあロビーに降りるか」
「面倒だから、あなたの部屋でいいわ」
そう言ってズカズカと、僕の部屋に入る。
「そんな不用心に男の部屋に入るかね?」
「用心してるわ。結界魔法唱えてきたもの」
つまり彼女を襲うと頭がパーンである。
「いやその、やめてくれません? ふとした切っ掛けで、死体になりたくないのですが」
「ふふ、冗談よ」
そう言ってカヨはスキルブックを再び取り出した。それを押し付けるよう渡してくる
そして椅子に座り、クスクスと笑いながら口を開いた。
「そうそう、解毒魔法は120ページくらいに書いてあるわ」
「お前なぁ……」
僕はベッドに座り、カヨのスキルブックを開いた。確かに120ページに解毒魔法が書かれている。
「でも、その辺から読みなさい。あんなので死なれちゃ困るし……」
うーん、これは彼女なりの優しさなのだろうか?
少し寂しげな、悲しげな表情をしていた。
下ろした長く綺麗な髪。普段とは違う雰囲気のカヨと密室にいるという状況。
僕は少しドキドキしていた。
「……分かったよ」
「よろしい」
カヨはテーブルに置いてある、僕の”読みかけ“のスキルブックを手に取った。
30秒程、無言の時間が流れる。
「……ねえ、ジンくん」
僕に呼びかける彼女の表情は、なぜか非常に険しい。
「ん?」
「ジンくんは、そういうのに興味があるのかな?」
「え? そういうのって?」
カヨはスキルブックを開いたまま手に取る。そしてベッドに座っている僕の顔へ、近づけて見せる。
それは僕が先程見ていた、避妊についてのページだった。
彼女は明らかに軽蔑した目で、こちらを見ていた。
「あ……」
「あ?」
「いや、誤解ですよカヨさん。これは本当にたまたま……」
カヨは見せているスキルブックの後ろで拳を握っていた。
本を使ったブラインドパンチだ。
彼女は本を引くと同時に、顔面へのストレートを放っていた。
予備動作を完全に隠した、本の裏から飛んでくる拳。当たり前だが、こんなもの普通の人間では避けることはできない。
しかし、僕は危機を予知する加護を授かっている。顔面への攻撃を察知し、スレスレで避けることができた。
避けられると思っていなかったのか、彼女はバランスを崩してベッドに倒れ込んでしまった。
もちろん僕を押し倒しながら。もつれ合い、豊かな胸を顔に押し付けている。
「……!」
「……!」
僕はこのデジャブーな展開に、狼狽えざるを得ない。本当に心臓に悪い。
「カヨさん!」
必死に叫んだ。
選択肢を誤れば酷いことになるが、とっさに過ぎて、全然いい言葉が思い浮かばない。
「あー!! あ! 無かった事に! 無かった事にしましょう!」
取り敢えず焼き回しで先手を打つ。
これでダメなら……まあ、やっぱ殴られるんですかね?
彼女は顔を真っ赤にしていた。
「……分かったわ」
先日自分が言ったことだからか、バツが悪そうにこちらを一瞥した。
カヨは力なく返事をして、モソりと起き上る。そして何も言わずにフラフラと部屋を出て行った。
⋯⋯柔らかかった。
殴られなかった事に安堵すると同時に、僕は少し興奮していた。
…………
しばらくして、僕はカヨの部屋に行く。
ちゃんと無かった事として処理されたなら、今度は部屋ではなくロビーで本を読もうと考えていた。
彼女の部屋をノックしようとした時、 不用心にも扉が少し空いている。
僕はノックをやめ、興味本位で少し覗いてみた。
カヨはうつ伏せベットにつっ伏せって、枕に顔を埋めている。
「あ゛ーー! 何で!? どうして!? これじゃ私が迫ってるみたいじゃない! あ゛ーーー!」
そんな事を言いながら、足をバタバタさせていた。
変に可愛いところあるよなぁ……。
お姫様になりたいとか、魔法少女がいいとか。
ニヤニヤして覗いていると、彼女の足がピタリと止まった。
そして枕から顔を離してハッキリと呟いた。
「そうだ、殴り殺そう」
「えぇ!?」
あまりの酷い呟きに、僕は声出してしまった。
その声を聞いたカヨもビクっとしてこちらの方を見た。扉の隙間から目と目が合う二人。
沈黙が流れる。
僕はそーっと扉を閉めた。
そして忍び足で自室に戻る。 ササッと部屋に入り、鍵かけた。
間違いなくバレた。これは引き篭もるしかない。
「スーハー、スーハー」
深呼吸をして、鼓動を鎮める。
よし、言い訳を考える時間が必要だ。
ノックされても絶対に出ない。扉を破壊されたら窓から逃げよう。二階だから大丈夫だ。多分。
ギシィ……
背後で床が軋む音がした。
ゆっくり僕はゆっくりと振り返る。
いた。
長い髪をした少女が、僕の部屋にいたのだ。
隣の部屋にいたはずの少女が。
完全にホラーである。
「ひいぃ!? な、何で……」
恐怖のあまり僕は言葉が続かなかった。
少女は無表情だった。無言で近づき、僕の頬を撫でた。
「ジンは知らないだろうけど、薄い壁を抜ける魔法があるの」
「そ、そんなぁ……プライバシーさんもセキュリティーさんも悲しんでますよ?」
「誰でも使えるわけじゃないわ。これ、高位の古代魔法だし」
「そんな高度な魔法を無駄に……」
撫でていた手が突如、強い力で頬をつねってきた。
「!? イデデーー!!」
「こうやればあなたの加護、意味ないわよね?」
僕はツンツン幼馴染を攻略するどころか、逆に攻略されていたようだ。
「いひゃい!いひゃいれす!」
彼女はまだ無表情だった。
僕の表情は恐らく絶望と焦りが広がっているだろう。
さらに頬をつねる力が強くなった。
「い、いふぁい! 千切れる!」
「千切れたら治癒魔法で治してあげる。私優しいから」
「ふぇええ!?」
これは相当キレてる。本当に殺されかねない。
「何で覗いてたの?」
「……ごふぇんなさい」
「足りないわ」
「ごふぇんなさい!」
「……」
彼女は冷たい目で見ていた。
まだ許されていない。
「……しゅきなだけ、殴って下さい」
「よろしい」
そう言って彼女は拳を固めた。
まず下腹部に一撃、続いて鳩尾に一撃。
僕は甘んじて受け入れた。
そして、つねられてロクに動かせない顔面に拳が……
最後の拳は当てられた記憶が無い。僕の意識はそこで途絶えた。
…………
ーーーコンコン
ノックの音で目を覚ました。
扉の前で大の字になって、気絶していたのだ。
カヨに正中線三段突きをもらって。
顔面は腫れていて、鼻を触ると痛い。
「……はい」
立ち上がり扉を開けるとカヨがいた。満面の笑みで非常に機嫌が良さそうだった。
「うわ、結構腫れてるわね」
お前がやったんだろ。
「正直、とても痛い」
彼女はニヤニヤしながら手をかざして魔法を唱えた。
「癒しの風!命の水!魂の灯火!癒しを求め傷つく者よ!慈悲と慈愛の声を聞け!静寂なる安寧をここに! ハイヒーリング!」
優しい光に包まれて、顔の腫れが引いていく。治癒魔法を唱えて怪我を治してくれたのだ。
まあ自分で拵えた怪我だが。
「どう?」
僕は殴られた場所を触ってみる。腹部、胸部、顔面。
「もう痛くないよ」
「私は優しいから、上位の治癒魔法を使ってあげたわ」
どや顔の彼女。
僕はもはや突っ込む気になれなかった。
「そろそろ夕食にしましょう」
窓の外はすっかり暗くなっていた。
長い間、気持ちよく気絶していたようである。
「分かった、行こうか……」
扉が空いてる部屋を覗いてこれなら、水浴び覗いたのバレてたら、細切れか挽き肉にされてたな……
…………
僕らはギルド横の食堂で食事を終えて外に出る。少し離れた場所に屋台のような物が並んでいた。
「昨日はあんな屋台あったかしら?」
「いや、なかったと思うけど」
興味を引かれ、様子を見に行く。
どうも在庫品の処分市や、くじ引きをやっているようだった。
「一回500ルーブ! 一等は魔道具「帝国製シャワー」!まだ出てないよー!」
「本当に当たるのかよー?」
「やっぱタワシしか入ってないだろ?」
「いやいや、先月はちゃんと一等が出てたよ」
そんなやり取りを店主と冷やかしが言い合ってた。
「へぇ、ハズレがタワシってどこの世界共通なのかな?」
僕がそんな事言ってると、カヨはギルドカードから、お金を取り出していた。
「……そんなにタワシが欲しいですか?」
「見てなさい。私は当てるわよ」
彼女はそう言って店主に硬貨を5枚渡した。5000ルーブだ。
「10回やるわ」
「気前が良いですね! さあどうぞ!」
店主はカヨにクジの入った箱を渡した。箱の中に紙が入っていて、破ると景品名が書いてあるようだ。
まず一枚引いて……なんてやらずにごっそりとワシ掴みで引いてる。
その数はぴったり10枚。
「カヨさん、もうちょっとお淑やかに……」
「うっさい!気が散る!」
今更何の気が散るんだろうか? 僕はそう思うも口に出さなかった。
カヨはビリビリとくじを破り中を確認する。
・タワシ四個
・タオルセット三個
・可愛いコップ二個
可愛いコップも500ルーブの価値があるか微妙だ。つまるところハズレである。
残りはラスト一枚。
「……僕達、外食してて食器洗わないからタワシすら使いませんよね?」
「あ?」
「何でもないです」
凄いガン飛ばしたカヨ。そして最期の一枚を開封した。
「……リジェネイトリング?」
「出ましたー! 二等賞おめでとうございます! 」
「おおー!」
当てた本人は何のことか分かっていないが、周囲の反応を見るに当たりのようだ。
店主は棚に飾ってある腕輪をカヨに渡した。
「リジェネイトの効果がある魔道具ですよ。普通に買えば10万ルーブはします」
僕はその言葉に驚いた。
「おお! 凄いな! 本当に当てるとは!」
「……どの口が言うのかしら?」
彼女はもらったタワシを僕に投げつけた。
…………
帰り道、カヨは怪訝な顔をしていた。
「どうした? シャワー欲しいのは分かるけど流石に欲張りすぎじゃあ……」
「違うわよ。何かこう、違和感があるの」
「違和感?」
「そう、体の奥に……」
ビュウウゥ!
彼女の話を遮るように、突風が吹いた。先程から少し風はあったが、こんな強い風は無かった。
目を開けていられない程の風。
その時、僕は加護の力で危険を察知した。正面から何か飛んでくる気配がある。
細目を開けると、何かの看板だか板切れだかが、凄い速度で飛んできていた。
「っ!?」
自分だけ避けるのは簡単だ。だが横にいるカヨは飛来にすら気付いてない。
僕は咄嗟に彼女の腕を掴み、抱くようにして庇った。
ガッ!
看板は僕の腕と背中を直撃した。肉が抉られる嫌な感覚と激痛。
そして立っていられないほどぼ衝撃でカヨに倒れかかった。
「うっ!」
「ジン!?」
何が起きたか分からないカヨは、風を言い訳に押し倒して来たとでも思ったようだ。
明らかに怒っているが、僕は激痛でそれどころじゃなかった。
「アンタ何をやって……!」
ヌルりと生暖かい感触が伝わる。
僕の腕と背中が血まみれだった。
すぐ横にはさっきまで無かった大きな看板に血が付いている。
腕からは大量の血と、白い……骨も見えていた。
気を失いそうだ。
「早く……魔法を……」
声を絞り出し、彼女に伝える。呼吸も辛い。
声でハッと我に帰るカヨ。
「癒しの風!命の水!魂の灯火!癒しを求め傷つく者よ!慈悲と慈愛の声を聞け!静寂なる安寧をここに! ハイヒーリング!」
彼女は多分、全力で魔法を唱えてくれた。
先程も使った上位の治癒魔法。肉が盛り上がり、みるみるうちに傷が塞がっていく。
痛みも徐々に引いていき、僕はようやくまともに呼吸ができるようになった。
しばらくして治癒魔法が終わった。僕とカヨは立ち上がりケガの具合を確認する。
「はあー痛かった。しかしあんな怪我でも一瞬で治っちゃうのか。治癒魔法すげぇな」
「本当に大丈夫? 血まみれだけど……」
「ああ、腕も背中も何ともないよ」
シャツの背中側は大きな穴が空いていて、大量の血が付いていた。
だが痛みはないし、動かしても問題ない。
「その、ありがとう……私を庇ったんでしょ?」
「まあ……ね、それにスキルブックにも書いてあったしな」
「スキルブック?」
「治癒魔法を使える者の生存を優先しろとか何とか」
意外な答えだったようで、カヨから笑いが出た。
「ふふ、何それ」
「カヨがケガして魔法使えない状態になっても俺は治せないかもしれないけど、逆ならカヨは治せるからな」
「あー、なるほどね」
彼女は何かを思ったように、袋からタワシを取り出した。
「これ、お礼にあげる」
「だから食器が無いのタワシは……」
そう、洗う食器も無いのにタワシは必要ない。
「あと、これもオマケであげる」
そう言って彼女はさっき貰った腕輪、リジェネイトリングを渡してきた。
「……え? いいの?」
「私はリジェネイト使えるから、要らないと言えば要らない」
「じゃあ売ってもいいんじゃ?」
カヨは赤い顔をして僕を睨んだ。
「黙って受け取っときなさいよ。どうせあなたはリジェネイト使えないんだし」
「まあ、そうだね。効果すら知らないし」
「……即効性は無いけど本人の傷を徐々に癒す回復の中級魔法よ」
いわゆる自動回復のようだ。魔法で回復できないならこう言った装備を身につけるしかない。
「そりゃ重宝するな。わかった、ありがたく受け取っとくよ」
僕はタワシのオマケにリジェネイトリングを受け取った。
「それと……まだわからないけど……」
「ん?」
「さっき違和感があるって言ったでしょ?」
「ああ、風が吹く前に言ってた話か」
カヨの顔が見るからに暗くなり、俯いていた。
「多分あれ、呪いだと思う」
「呪いってもしかして……」
二人の中で呪いと言えば決まっている。
「嫉妬の神リベが言っていた呪い【幸運がある度、不幸が訪れる】」
「たまたまなんじゃ?」
「分からないわ……でも違和感があったのは最後のクジが当たった時から、さっきの看板が当たるまでの間だった。それに森の中でも似たような事があったの……」
僕はイマイチ、ピンと来ていなかった。
だが彼女は深刻な顔をしている。
「まあ、それならそれで違和感があったら言ってくれよ。僕の加護があれば防げるかもしれないし」
「確かに……そうね。 遠慮なく盾にするわ」
「酷くない?」
「ああ、どうかこのか弱くて可愛い乙女を守ってください!」
この白々しく笑うカヨに、僕は突っ込む気が失せていた。
か弱い乙女は、クマを焼き殺さないだろう。
「とりあえず早くシャワー浴びよう。自分の血だけど気持ち悪いよ」
「それもそうね」
カヨの手や服にも血が付いていた。
手についた血を見て、彼女は多分、酷く暗い顔をしていた。
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