第469話 仏蘭西のように
木々が茂り闇に包まれていく森。
闇に染まる分だけ目を輝かせ野獣共が蠢き出す。
久しく人が訪れることも無く道は草木に覆われていた。だが今覆っていた草木は乱暴に払われ表れた道を進んでいけば、木々が切り払われぽっかりと開けた場所に蔦に覆われたログハウスがあった。
バブル時代観光客の増加を狙って森の散策コースが作られ、途中に軽食が出来る休憩所のような店が作られた。だがバブルは弾け当然観光客が来ることも無くなり、島の人々すらも訪れることは無くなり道もログハウスも草木に覆われていった。
忘れられ朽ちていくだけだったログハウス、そのログハウスを覆っていた草の一部が剥ぎ取られ鍵が掛けられていたはずのドアは蹴り破られていた。
数年ぶりにログハウスに灯った明かり。
ゆらゆら揺れるランプの光に野獣と少女が照らされていた。
立日沢は肩に担いでいた気絶した朽草を床に放り投げた。
「ぐはっ」
床には予め運び込まれたらしいマットが敷かれていたがそれでも朽草は衝撃で息が詰まり、その苦しみで目を覚ました。
「お前が悪いんだからな。
やり直そうとしたのにお前の所為で終わりだ。俺はもう終わりだ。
どうしてくれんだよ」
「けほっけほ」
「罪滅ぼししろよ」
マットの上で這い蹲る苦しむ朽草を見下ろして立日沢が一方的に自分本位の断罪をしていく。
「ゆっゆるして、家に帰らせて」
朽草は涙を浮かべ訴えかける。
「俺は許されねえだよ、お前を許すわけ無いだろ。これは当然の権利なんだよ」
立日沢は苛つく怒りのままに朽草の腹に爪先をめり込ませた。
「がはっがはつ」
衝撃と痛みに朽草は床をのたうち回る。
「苦しいか痛いか。
だがなあ~ネンショーに入る俺の方が可哀想なんだよ」
立日沢は前に翳した掌を握った。
「はひゅっ」
朽草は奇妙な声を発して陸に揚げられた魚のように跳ね回った。
「ひゃっひゃおもしれえ~。少し気分が晴れた。
いいよいいぜやっぱお前は最高のおもちゃだ」
立日沢はもう我慢出来ないとばかりに朽草に覆い被さった。そして馬乗りに成ると朽草の胸元に丸太のような両手を伸ばす。
「へっへやっぱプレゼントは包装紙を破るのが醍醐味だよな」
ボタンが弾け飛び朽草の服はあっさりと破られ豆腐のような肌と下着が露わになる。
「いやああああああああああああああああああ」
服が破られ素肌を嫌いな男に晒す。この年頃の少女にとってこれ以上の恐怖これ以上の屈辱があるだろうか。朽草はただ涙し叫び声を上げる。だがここは深い森の中、朽草の絶叫は森の木々に吸い込まれ誰かに届くことは無い。
「いい声で泣くじゃねえか。美しいぜ」
立日沢は朽草の泣き叫ぶ声をうっとりと眺める。
「おらっもっともっと泣け」
立日沢は喜色を浮かべて朽草を陵辱していく。
上着を破り去り。
スカートを足を抱えて脱がし。
ブラジャーを剥ぎ取り。
パンティーを左右に引き裂く。
「ひゃっはあひゃっはひゃ」
一糸纏わぬ白い素肌を晒す朽草は磔にされたように床に手足を広げて虚脱していた。
「おらっ舐めろよ。誠心誠意舐めれば少しは優しくしてやるぜ」
立日沢は脱ぎ去りその凶悪な欲望がそそり立ち脈打っていた。
「いやっ」
それを見て朽草は顔が真っ青になった。
「ほら」
凶悪な肉棒を朽草の口に近づけるか朽草は顔を背けた。
「ぎゃははははははははははは。拒否するか。
おらっおらっおらっ」
立日沢は拒否した朽草の白い頬を太鼓のように交互にパチパチ叩く。
「ひっくひっく」
朽草の頬は赤く腫れ瞳は絶望に染まるのみ。
「ふう~いい声だった。堪能したが、まだまだだぜ」
片手で朽草の両手首を掴むとそのまま立ち上がって朽草を釣り上げる。もはや朽草の瞳に立日沢は映っているが脳内で像が結ばない。
虚脱
絶望
朽草の肉寄る脇から続く膨らみかけた乳房が立日沢の眼前に晒され、汚い息が吹き掛けられる。
「ぐへっへっへ。俺は無敵だ。
よく考えたら俺が何でこれを最後にネンショーになんぞ入らないといけないんだ。無敵の俺だぞ。この島くらい支配できる。
そうだこの島を支配してやる。
そうすればお前だけじゃ無い、あの生意気なババァとも遊べるぜ」
その一言を聞いた朽草の目に力が戻った。
「させない」
「ああっ」
思いがけない抵抗の言葉に立日沢は朽草を睨み付ける。
「あの人に手出しなんかさせない」
立日沢を睨む朽草の瞳孔が縦に細められ黄金に輝きだす。
「またその目かっ。
そんなものに驚くのは最初だけだっ。
所詮暴力の前にはそんな手品無力なんだよ。今それを思い知らせてやる」
立日沢は釣り上げた朽草を自分の正面に動かし、隆起した肉棒を朽草の蕾に宛う。
朽草は丁度立日沢の正面に据えられ、狂気と欲望に染まった瞳と黄金の瞳が合う。
「ぎゃはははは、このまま落とせばどんな声で泣いてくれるかな」
「狂感覚に踊れ」
「ぎゃきゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
森を震わす悲鳴が轟くのであった。
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