第458話 天地創造
他の乗客も段々と体が分解されていくに連れ概念の神としての純度は上がっていく。そして概念は球体の空間に引き寄せられていく。
球体の空間。何か物質があるわけでは無い。近寄れば分かる。ここには神と成った概念が渦巻いている。それを感じて球体だと視覚変換していたようだ。
もうすぐ中心の空間に到達する。
混沌の渦に近付くに連れ、世界の法則が変わっていくのを感じる。
己を煮詰め狂った果てに見出した概念になった連中が渦巻く混沌の海。
神の一柱となった俺には他にどんな神がいるか朧気に感じる。
ドールに愛が通じればドールが妖精になる概念。
死ぬ度にチートを授かって生まれ変わる概念。
女を解体して調度品を作るという概念。
二次元の絵の世界という概念。
愛した女がドールになるという概念。
言葉こそ世界のという概念。
女が妊娠し男の腹から子供が生まれるという概念。
時間軸が物理的に存在するという概念。
女を美しく苦しめた者こそ称えられる概念。
魔法がある概念。
男が全て女の奴隷になるのが必然という概念。
こりゃ、世界の機能を司る概念と言うより個人の欲望に近いな。それ故に対立する概念も結構あるようなので新世界が生まれた際にはどちらかが消えるのだろう。
だが見事蠱毒を勝ち抜け新世界の概念と成れば司る言葉も生まれ、それが普通の世界になるのだろうが、地水火風とかの四元素を司るような概念も植物の概念も無い。結構風に成りたいとか水のように成りたいとか言う奴はいそうなんだが、そういう奴は煮詰まった狂気の世界では淘汰されてしまうのかもな。
新世界は一体どんな世界になるんだ? そんな世界で生物は生きていけるのか、常識人の俺では推し量れないな。
蠱毒の混沌。
今は各々の概念が渦巻いているだけの新世界の素。
日本書紀にあるように伊邪那岐(イザナギ)、伊邪那美(イザナミ)が天沼矛で渾沌を掻き混ぜたような切っ掛けがあれば新世界は生まれる。
ここは俺が伊邪那岐になって伊邪那美も天沼矛もないが俺が混沌を掻き混ぜてやる。
どんな世界が生まれるか知らないが、どう転んでも廻が望む世界には成るまい。
あの梳かした顔がどんな風に歪むのか楽しみではある。
くっくっ、裏返った俺が選んだ選択は確かに悪くない。
いよいよ混沌の海に届く。
「さあ、混沌よ俺が新世界を生み出してやるぜっ」
俺は神「果無 迫」として混沌に拳を突き入れた。
「ノン。それは困るな果無君」
俺は腹を剔られた金髪の女と片手で掲げた子宮を愛おしそうに見る廻という最高にサイコな場面を見せ付けられるのであった。
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