第38話 絶滅危惧種としての物書き
このエッセイ、といいますかボヤキ。石ころみたいだな。
キツイ主張や、ある種の読者を辟易させ「何でこんな事書くんだろう、チラシの裏にでも書けや」と思わせる内容。または「危険思想」……まではいかないかなあ。黙殺され社会的に無いものとみなされる運命なんだろう。そういう
物書きというのは、余計者という意味だと私は思っています。学者でも無い、馬鹿が何か言ってる。無意味そのもの。
しかしながら、そうは思わずに、健気に書いている人がいる事を知っている。そして、そうやってやっと書いた文章を「文学じゃない」と
作者の心が繊細過ぎるといったらそれまでだけど、綿毛の中に種や刺が混じって、未完成なその文章を、ただ下手くそと嗤う奴。そういう奴の文章、そうだなあ。百人が「上手い」と言ったところで、だから何なんだ。銭になったか。ならんかっただろ。やめようぜ、無名の物書き同士で、潰し合うの。虚しいよ。
何だろなあ。滅びる運命だけど、今そこにある事。無名の物書きは、そういうものなんだと思う。敢えて言うならば、そういう生活。人生と同じ。生まれた瞬間から、死に向かっているにもかかわらず、生きるために、生きる。何で生きるのか、何のために生きるのかなんて、知らない。そんなのは、哲学病だ。そして哲学病は何なら、今すぐ捨てられる。気持ち一つで。
確かに小説は、読者を盛大に騙す仕掛けなんだ。もしかしたら、悪なのかもしれない。
ただの文字なんだけどね。目を閉じて、再び目を開けたら消える。ただの、幻。どんなに……例えば売れている本だって、千年後には、消えているんだ。あるいは一つの文明そのものが……
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