第33話 長文タイトルは楽しい

 何でもやってみるもんだ。例えば異世界転生ものが人気があるんだっていうんなら、いち物書きとして、面白がって書いてみるのもいいだろう。長文タイトルだって、悪くない。梗概こうがいをタイトルに込めれば、長文タイトルいっちょ上がり、だ。

 一つ問題があるんだとすれば、自分の書こうとしている文章を把握しきれずに、「あれ、何の話だっけ」となってしまうことくらいだろうか。そうすっと、「とりあえず『はみだしスライム今日も仕事に行きます』にしとくべ」などと、タイトルの手抜きが始まる。まあ、誰が何を書こうが自由ってもんなのだし……


 そういえば、日本語文章論の先生だっけ、こんな事をおっしゃっていた。文章には種類があって、論文なら論文の書き方があるんだって。小説は、小説の書き方がある。

 で、ここからは私見なんだけど、何だろなあ。学生時代にあんまり勉強得意で無かったっぽい人の方が、小説らしい小説書いてると思う。何でかなと思うに、何でだろう。そこはちょっと、分かんない。単に私が、理屈っぽい文章があんまり好みで無いからなのかもしれない。目が滑るんだよなあ、訳の分かんない文章見ると。


 ガツンと心臓に飛び込んでくる言葉がいい。たった一言でもいい。「あ、こいつヤバイ」って思える、そんな言葉を自分の言葉で語る、それがあれば、面白い文章だ。


 読まれないとか感想書かれないとか、嘆いてる物書きを見ると気の毒になる。それって、埋もれてるから読まれないんだよなあ、って思うから。埋もれるっていうのは、毎日、秒で小説が投稿、あるいは出版されまくっているからで。海岸の砂あるじゃないですか。で、上の方にある渇いた砂だけが目に見える。下にある湿った砂は、見えない。


 図書館の蔵書とかも、そんな感じですよ。「書庫にあります」っていう。本棚から移動させられて、眠っている。読者がその本を検索しなかったら、たぶん永久に読まれない本がある。ほぼ無限に。そういう状況に比べたら、小説投稿サイトでPV1とか、読まれてる部類なんだと思う。キーワード検索で引っ掛かるようにすれば、司書が倉庫から引っ張り出す手間無く、すぐに読者の目に留まる。


 何が言いたいのかというと、何だろなあ。鬱々としてくると、ろくな事考えないんですよ。そういう時は、日の光を浴びて、歩く事です。あとは、何か食べる。しんどい人は、休む。あとは、人と話す。友達いない人は、ネットでもいいから、感性の合う人とメッセージを送り合う。しんどい時は論争なんかしたらいけない。異文化交流って、余力が無いとただただ疲れるだけだから。無理したらあかん。


 何かそんな事を、考えた次第です。


 



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