第18話 家畜的思考
ネット上の、小説の良し悪しについて言うのは不毛だ。なぜなら、規格外品に意味があると思うから。小説工場の失敗作、捨てられた駄文、そういうものを見たくてネット小説を眺める。正規品は図書館や本屋に行けばあるのだし。
いわゆる小説講義や良し悪しを言い始める作者というのは二通りあると思う。ある程度周囲から認められて、自信のある作者。そして、何らの根拠もなく言いたい事だけ言う作者。私が思うに、前者の方が厄介だ。なぜなら、その人物が「これは駄文である」といえば、追随する者が出てくるから。よって、自分は前者の部類であると自覚する者は、例え好みでない文章を見たとしても、思った事をそのまま書くのはやめておいた方がいいんだと思う。後者の場合は、密かに嘲笑されるだけなのだけど。
嫉妬というものは厄介だ。自覚のある嫉妬ならまだいい。自覚の無い嫉妬は、大抵「親切」あるいは「上から目線」で語れられる。潰された者は驚き面食らう。そして、自信を失う。嫉妬からの言葉の暴力というのも、たまに目にする。ある例など、誰も指摘しなかったが、私は、嫉妬であると思った。目の上のたん瘤に思ったのだろう、そう思った。実際、嫉妬を受けた方は作品を消した。私は残念に思った。その作品を支持する気持ちは無かったのだけど(好みでは無かった)、その作者の置かれた状況に対しては、何か釈然としないものを感じた。
周囲の支持を多く得ている者に対して、物言うのは色んな意味で難しい。そっと喧騒から離れるに限る。だけど、潰れた者の肩にそっと手を置き、去る事はできる。一体、こういう出来事の後には何ができるのか。恐らく、自分の手の届く範囲で出来る事をやるだけだ。
掴んでいるのは蜘蛛の糸では無いのか、そう言おうとして、やめた。
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