そんな装備で大丈夫か?

陰気の力が弱まり、僕は起き上がり、行動ができるまで回復した

回復したのなら行動をしなければいけない。

幽霊さんと自分の命がかかっているのだから。

僕はクローゼットに向かい、扉を開ける。

そこからエアガン、H&K5PDWのエアガンと装備一色、ビニール袋で丁寧に梱包

された和服で狩衣と言われている服と烏帽子を取り出す。狩衣と烏帽子は僕達一族が使える安倍晴明神社の儀式に使う正式な清められた服装だった。またベルトと陸上自衛隊放出品の肩掛け吊り下げ式のベルトを取り出す。弾倉入れと清めの塩を入れておくポーチが着いている。

幽霊さんはきょとんとした顔で訪ねる。

「その鉄砲は本物?」

「ううん、電動エアガン、レーザーサイトとガンライトとダットサイトが着いているよ」

「おもちゃじゃ音量を倒せないよ」

僕は不適まで行かないけど少し微笑む。

「BB弾が20メートルまでまっすぐ飛ぶように調整しているよ。BB弾の方に秘密があるんだ」

どうして僕が自身があるのか分からないのか不思議そうに尋ねる。

「このBB弾は有機物質で出来ていて、時間がたつと自然に分解されるエコなBB弾なんだ。打った後、BB弾を放置するのはマナー違反なんだけど、分解されると聞くと少し罪悪感が減るからね。」

幽霊さんは小首をかしげる。

「それじゃ物質に影響されない幽霊に意味が無いんじゃないですか?」

「昔は塩で払っていて、戦国時代までは刀を使えて、昭和の初期まで実銃が使えたんだけど、銃刀法ができてから、幽霊さん達に近づいて塩を投げる方法しか取れなくなって身に危険が及ぶようになったんだ。刀を使えてた時代も危険だったんだけどね。今はエアガンが使えるから安心だよ」

「答えになってませんよ」

「まあ見ていて」

僕はテーブルに向かって結跏趺坐の姿勢を取り烏枢沙摩明王様の印を組むと真言を唱える。

「オンクロダナウソワカ」

これで僕の身は清まり儀式を行う事ができる。

1000発入りのBB弾の袋をテーブルの上に置くと、僕とBB弾を一本の線でつなぐイメージを強く持つ。自身の霊力と主注力を高めるために真言を唱え続けている。

「オンクロダナウソワカ」

繋がるイメージができると、今度は自分のお腹の辺りから炎により身を包み込まれるイメージを強く描く。イメージができると今度はBB弾と霊的につながった線に身を包む炎のイメージを伝えていき、1000発のBB弾が炎により包み込まれ、それぞれに清めの炎の力が載る様にイメージを持つ。

「オンクロダナウソワカ」

十分に清めの力を持った事を確信すると僕は結跏趺坐を時、エアガンの30発入り弾倉が二つくっついた物とBB弾チャージャーを取り出す。


MP5PDWの正規品じゃないけどMP5シリーズは弾倉が共通化されているので、別途買い求めたものだった。それと電動エアガンだからバッテリーを二本充電器に取り付けた。一本は予備だった。明日の朝エアガンに差し込んでリュックサックに入れば良いなと思う。

僕はBB弾の袋開けて、弾倉にBB弾を詰めていく

「それでどうやって戦うんですか?あの怨霊はあんなに強いのに」

「性別されたBB弾は幽霊さんたちを構成する霊体に干渉して、霊体にとどまり続けて、烏枢沙摩明王様の聖なる炎の力で消滅するまで、不浄な存在を焼き続けるんだ。一つ一つの力は弱いかもしれないけど、薄島明王様は一切の不浄を焼き尽くすから不浄な存在に対してとても強い力を発揮するんだ。あの怨霊が怨霊である以上、烏枢沙摩明王様の力に打ち勝てないからね」

「安倍晴明はどうするんですか?あの人には勝てない」

「いない時に行けば良いよ。神を名乗っても人間だから食事もするし、睡眠をとったりもする。だから早朝からあの廃倉庫の二回に入って全ての窓を開けて、清浄な空気と朝日を送り込んで、あの世とこの世をつなぐ世界として、怨霊に力を与えている一階をただの廃倉庫にしてしまえば力は弱まるよ。怨霊を倒して、怨霊がこの世界でいる為に依り代としている不浄なあの大きな石を清めてこの世から消えてもらう。勝てない戦いじゃないよ」

僕はそう言って、神棚に飾っておいたナイフを取り出す。もちろん肩掛けつきベルトに取り付けれる様に鞘に引っ掛ける部分がついているを集中して鞘に納める。

「それは本物のナイフですか?」

「僕達の一族は一人前と認められるためには守り刀を持つための儀式を成功させないといけないから、そのためのナイフだよ。烏枢沙摩明王様の種字が彫り込まれているよ。聖別されたナイフで身を守ってくれるよ」

僕は肩掛け式ベルトにナイフと鞘を装着する。その作業について出にBB弾を入れ終わった弾倉をもとからついていた弾倉入れに入れていく。二本くっついたセットが二つをいれる。ベルトの左側には塩をいれたベルトポーチをくっつけた。

塩は古来から強い清めの力を持つと言われているから、烏枢沙摩明王様の力を引き出せない時の必需品だった。窓ガラスを割るためのハンマーも入れる。鍵がしまっているだろうからと考えたからだ。

それらの装備を忘れているものは無いかを確認して、リュックサックに詰めていく。

最後に八幡様の破魔矢をリュックサックに差し込んだ。これで装備は終了。

「これから段取りを描いていくけど、一緒に確認してくれるかな?」

「そんなおもちゃばかりでかてるはずがないじゃない!あなたは何もわかってない。分かってないよ、私の気持ちも怨霊の強さも」

そう言うと泣き始めた。

「大丈夫、手順を踏めば大丈夫だよ」

幽霊さんの返答が無いを気にしながら僕はレポート用紙に計画を書いていくのだった。

                       お名前は?に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る