第10話 数

「冬樹くんは、晴れ男?」

「うん、そうだよ。美雪さんは?」

「私も晴れ女。+と+だね」

美雪さんは、微笑んでいる。


「で、どこに何時に集合なの?」

「8時に東京駅の、駐車場」

「どこの?」

「ここ」

美雪さんは、チラシを見せる。


「ああ、ここか?」

「辿りつけるかな、僕たち」

「どうして?」

「東京ラビリンス」

「私が案内するから、平気だよ」

よろしく頼みます。


しばらくの間は、ふたりで談笑した。


「じゃあ、そろそろ行こうか」

「えっ、もう?」

「うん、電車の時間があるからね。」

「了解した」


そういえば、美雪さんは飲み物ばかり飲んでるな。

お腹をすかしているのかな・・・


「ところで、冬樹くん」

「何?」

「私と君が、何回手紙のやりとりをしたか、覚えている?」

「郵送とか、今朝の手紙とか含めて・・・

「うん」

しばらく考えてみる。


そういえば、どのくらいだろう?

一応残しているのだが・・・


でも、そんなにはないか・・・

「30通くらい?」

「外れ」

「じぁあ、何通?」

外れなら、訊いてみるのもいいだろう。


「忘れてたのね・・・自分で思い出しなさい」


怒れらた・・・なぜ?


「怒ってないよ。叱ったの」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る