第7話 ドキドキの夜

「牧場経営?今そういったよね?」

「そうだよ」

「じゃあ、今回のバスツアーの行き先の牧場は?」

「もちろん、そこだよ」

あっそう・・・


「でも、バスツアーには、お金かかるんじゃ」

「ただ」

あっ、そう・・・


「で、そのバスツアーは、誰と行くの?」

「誰とって?」

「まさか、ふたりきりじゃないよね」

「うん、これだよ」

美雪さんから、ちらしを渡される。


≪声優さんと行くバスツアー。最低決行人数は、70人。

ジンギスカンを食べて、動物たちと楽しもう≫

そう書かれていた・・・


最近は、芸能人やファンとの距離が近いが、ここまでとは・・・

しかし、タレントさんもおっかけするほうも、体力あるな・・・


夕食を済ませ、部屋にはいる。


言い忘れていたが、同室でベットはひとつ・・・

ちょっとまて


「私たちは、いとこ、つまり肉親ということになっているんだから、

ベットは、ひとつで十分」

「それだけ?」

「ううん。少しでも安くしたいから・・・

親戚でも、ただで高いところは頼めない」

あっそう・・・


眠れるかな・・・


「さあ、明日は早いから風呂に入って寝よう」

「風呂はいらない」

「不潔な子は、嫌いだよ」

「・・・入ります・・・」

「よろしい」


さすがに、風呂は別だった。

安心はしたが、少しがっかりした部分があるのは、

僕も思春期だからか・・・


「ねえ、一緒に入る?」

「たちの悪い冗談はやめてくれ」

「ははは」


このような、やりとりがあったのは、言う間でもあるまい。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る