第6話 大家族

「で、僕たちはどういう関係になってるの?」

「いとこだよ」

「ありきたりだね」

兄妹ではないのか・・・


「赤の他人では、無理でしょ?」

「でも、よく予約出来たね」

「親戚だもん」

どれだけ、顔が広いんだ・・・

この子は・・・


ホテルについて、チェックイン


「くつろいでね。冬樹くん」

「できるか!」

年頃の女の子と同室。

しかも、初めて・・・


くつろげるはずがない。


「ねえ、冬樹くん」

「何?」

「妙な事しないでね」

「僕がそう見える」

「見えない」

喜んでいいのか?

それとも、男として見られてないのか?


「君に、女の子を襲う勇気ある?」

「全くない」

「うん、草食男子だもんね」

「悪かったな」


で、下の階のロビーで食事の時間となる。


「で、美雪さん」

「何?」

「ホテル代は、いくら?」

「ただ」

「ただって・・・」

美雪さんは、間を置かずに答えた。


「言ったでしょ!ここは私の親戚が経営してるんだよ」

この子、そんなに金持だったっけ?


「普通だよ。ただ親戚が多いけどね」

「多い?何しているの?」

「知りたい?」

「うん」

美雪さんは、指折り数える。


またですか・・・


「さっきのブティックに、焼き肉店、ホテル経営、牧場経営、遊園地に・・・」

「もういいです。おじさんとおばさんが多いんだね」

「うん。父は8人兄弟。母は6姉妹かな。ふたりとも、長男と長女ね」

本当にいるんだね。

こんな家系・・・






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