第8話 添い寝
ベット、2人用なのでダブルベット。
僕は、ソファで寝ようとしたが拒否。
「君は人畜無害だから」
嬉しいんだが、男としては情けない。
少しは狼になっても、いいのか?
「君は、ヒツジのままでいて」
「うん」
彼女が落ちないように、壁側に寝てもらった。
僕は少し離れて寝る。
ふたりとも、よく言えばスレンダーな体つきなので、
ベットに世裕が出来る。
「ねえ、冬樹くん、起きてる?」
「うん」
普通、眠れないと思うが・・・
「明日は、6時起きだからね」
「うん」
美雪さんは、僕の手を握ってくる。
「お願い・・・朝までこうしていて・・・」
「何で、僕みたいな冴えない男と?」
「・・・何度も、言わせないで・・・」
何か、怒られるような事言ったか?
この時は、わからなかった・・・
「ところで、美雪さん」
「何?」
「明日のバスツアーなんだけど・・・」
「うん」
「知り合いなの?」
「個人的には知らないよ。初対面」
「そうか・・・」
声優さんと、会ってたくさんお話するなんて、夢にも思っていなかった。
しかし、その夢が現実となる。
最近では、珍しくない。
「その声優さんは、女性だよね?」
「うん、ふたりとも・・・」
「ふたりだっけ?」
「そうだよ。読まなかった?」
なら、男が多いな・・・
「わからないよ」
「えっ?」
「ファンに、男も女もないからね」
「そう・・・」
いつしか眠りについた。
若さゆえかもしれない・・・
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