ウクレレ愛好家の悲劇
挨拶代わりに
お前の一番、大切にしているウクレレを叩き壊すことにした
それはお前が世界一、大切にしているウクレレだった
「嫁は二番!」
常々、そう公言していた
そのようなウクレレを木端微塵に叩き壊すことに決めたのだ
アスファルトに叩きつけた
派手な音を立て首がへし折れた
ざまあ
おれにはウクレレを大切にする奴の気持ちなんて全く理解、出来なかったしする気も無かった
だから何の躊躇いも無く叩き壊すことが可能だった
でっかい洋梨みたいな形状のそいつを衝動のままにぶっ壊した
目の前のウクレレ愛好家の中年は哀しみのあまり目の端に涙をいっぱいに浮かべた
「娘のバージンが奪われた時、以来のショックですわ」
そのような感想を漏らした
「へえ」
おれは珍獣でも見るかのようにそれを眺めた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます