蜂の巣の形状


おれの耳たぶが腐ってぼとりと落下した

お前が口を開いたからだ

おい

どうしてくれるんだ?

「もう射殺するしかないのかもしれないなあ」

おれは呟いた

それ以外の選択肢なんて無い

おれはどうやら今まで優しすぎたらしい

もっと早く誰かの言う通りにすれば良かったのだ

いい加減お前にうんざりさせられることに飽きてきた

射殺

今がその時なのかもしれない

いつまでもお前が死ぬのをただじっと待っていることなんて出来ない

おれは星に願わない

肩からぶら下がって揺れている銃器でお前を射殺することに決めた

よしっ

やろう

お前という存在は今すぐおれの視界から消えろ

射殺した

ふう

それなのにお前ときたら生まれ変わってまたおれの前に佇んでいた

「よい子のみなさんはけして真似しないでください」

そう言い再びお前を射殺した

一体、何度、射殺すればお前は完全に消滅してくれるのだろう

蜂の巣

その形状にする

その形状を愛しているからだ

もちろん鑑賞、専門であって自分自身がそれになる気なんてさらさらない


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