幸せの形


わたしは

そよ風を

撫でました

そよそよして

まるで撫でてほしそうに見えたから

気持ちいい?

今度は掴んでみました

ふにゅううっ

指の中に収まりました

そよ風は

しばらくはもぞもぞと動いていましたが

やがて動かなくなりました

「死んだの?」

わたしは慌てて指を広げると

そよ風はゆっくりと

また風の本体と合流して去っていきました

太陽は

わたしの頭上で輝いていて

お母さんが遠くの方から

ごはんが出来たよお

と呼んでいる声が聞こえてきます


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