名探偵の憂鬱
密室に
死体が転がっていた
けれどそいつは何も喋らないんだ
だから面倒なことになる
あーあ
面倒くせえなあ
まあ死体だから仕方ねえか
名探偵は憎々しげに呟いた
死体は何かをぎゅっと握り締めているようだった
(おや?)
名探偵はそれを発見した
もしかしたら事件解決の手がかりになるかもしれないぞ
だがほどいてみるとそれはチーカマだった
「こいつチーカマをぎゅっと握り締めて死んだのか」
おれは助手に言った
「まさかチーカマ工場の工場長なんて奴は容疑者の中にはいないよな?」
「ところがいるのです」
こうして事件はあっさりと解決した
『名探偵、チーカマ殺人事件を見事、解決!』
翌日の地方紙の一面にはおれの記事がでかでかと写真入りで掲載されていた
全く人生が何かの冗談だとしか思えなかった
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