試験終了


「そのスライムはこの僕にこそふさわしい。」


「お前は馬鹿か。勝手に言ってろ。」


「な、なに!!」


俺は無視して試験管の後について行った。


俺達は裏第2演習場に移動した。そこは観客席があり、中央に闘技台がある場所だ。


「今から最終試験を行います。最終試験は1対1で戦ってもらいます。それでは526番と538番闘技台へ上がってください。」


番号を呼ばれた人が闘技台に上がり、試験管が審判をやる。


「それでは……始め。」








最後に俺の番になった。俺と戦うのは貴族の奴だ。


俺達は闘技台に上がる。


「おい!僕が勝ったらそのスライム貰うからな!」


貴族の奴はニヤニヤしていた。


「はぁ。スーは物じゃねーんだよ。」


「てめぇ!平民の分際で口の利き方がなってねーんだよ!」


「うるさいな。その口を閉じろよ。」


「こ、こいつ!!」


俺達が戦おうとした時


「待ってください。貴方達はもう合格してるので最終試験は受けなくていいですよ。」


「あの、どう言うことですか?」


「第1試験で的に傷を付けた人、灰にした人を不合格にするわけないじゃないですか。もう2人は受かっているんです。」


「そう言うことか。」


なら、先に言ってくれよ。まぁ、これで試験は終わったな。


「ちょっと待て!」


またこいつかよ。


「第1試験をやったのはそいつじゃない!スライムだ!そいつが合格の意味がわからない!」


まぁ、確かに俺は何もやってないな。


「いいえ。彼はテイマーなので彼の連れている魔物が合格基準に達していれば彼は合格ですよ。」


「~~!!!」


あいつそんなに俺とやりたいのか?まぁ合格してるし意味ない戦いはしなくて……いや待てよ?

さっきはスーが目立ってたよな?なら俺がこいつを一瞬で片付ければ注目されるんじゃ?なら!


「わかった。お前と戦ってやる。」


「な、なに!?」


「別に戦ったところで合格は変わらないんですよね?」


「えぇ。でもよろしいのですか?貴方はテイマーじゃ……」


「そんなことはどうでもいい!やるって言ったからな!男に二言はないよな!」


「あぁ。」


「わかりました。ではこれより両者の決闘を始めます。」


「へっ!俺が勝ったらスライム貰うからな!」


「しつこいなぁ。一瞬で終わらせてやるよ。」



「おい。あいつテイマーだろ。」

「勝てるわけねーよ。」

「あんな勝負受けなきゃいいのに。」

「いや、無理だろ。貴族に言われたら。」



おぉ!なんか俺心配されてるじゃん!これでサッと勝ったら胴上げとかされたりして。


「それでは……始め。」


「一瞬で終わらせるのは僕だ!!ライトニングランス!」


貴族は雷の槍を5つ出現させた。


「すげ!!」

「同時に5つなんて私じゃできないわ。」

「これはもう決まったな。」


「くらえ!!」


5つの雷の槍は俺の方に凄まじいスピードで向かってくるが


「遅い。」


俺は一瞬で背後に移動した。


「な!?うし、ぐはっ!?」


ドォォン!!


俺は貴族の振り向きざまの腹に蹴りを1発入れた。貴族は勢いよく飛んで行き、壁に激突した。


「な、なにが起きたんだ?」

「テイマーが消えたと思ったら貴族が吹っ飛んで、貴族がいた場所にテイマーがいるぞ。」



『スーーー!!』


スーは闘技台に上がってきて俺に飛び付いてきた。


『スー。スー。』


「あぁ。ちゃんと手加減したぞ。1発しか蹴ってないからな。」



試験管の先生は貴族が激突した方を見ていた。


俺がみんなの方を見ると皆何故か目を合わそうとしなかった。

え?なんでだ?普通、すげーとか言って駆け寄ってくるんじゃないのか?


俺が考えていると


『スー。』


「そうだな。」


どうやらスーは帰りたいようだ。


「あの、もう帰ってもいいですか?」


俺が声をかけると試験管は少しビクッとしてから


「えぇ。これにて試験は終了です。」


と言ったので俺達は家に帰った。

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Lv100〜実質最強の最弱勇者は最強勇者に憧れる〜 @mangaka1013

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