第23話 死人にアンケート
「いやあ、君、これどうやってとったの?」
会社に戻ると、社長がいきなり訪ねてきた。
「はあ、色々と。」
僕が休んでいた間に、天使のやつがアンケートを取ってくれていた。自分の葬儀のお布施が妥当かどうか、霊仲間に聞いて回ったらしい。
「こんな、どろっどろなアンケート。こりゃ、即戦力だ。」
「死人と話せるやつがいまして。名前は出せないんですが。」
アンケートを見ると、年寄りには戒名への不満が多い。遺族がお布施をケチってランクを下げたと思っている。逆に、若い奴らはムダ金と思っているようだ。
「あの世でも、年寄りは遺族自慢がつきない。わかりやすいのが戒名。遺族がどれだけ自分のことを思ってくれたかのバロメータになっている。」
天使の解説に、人間死んでも性格は変わらないんだなあと思った。
この一件で、死人相手の裏アンケート依頼が舞い込むようになった。結構いい金になるらしい。
「バイトだから自給は上げられないけど、この調子で頑張れば、卒業したら正社員への昇格もあるからね。」
ここで、働くのか。少々ブラックな匂いがするのであまり気は進まない。
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