第15話 喜捨金

「寄付にすれば無税ですむところを、コミコミだと一旦葬儀会社の売り上げに入ってしまいますし、お寺も商業売り上げになってしまうので誰も得しないです。」

 なるほど、寄付だから坊主もいくらとは言いにくいわけだ。

「お寺から金額を言うわけにもいきませんので、利益供与を受けていない葬儀会社が目安というものを示します。あと、大抵お布施と食事代と車代という3つを擁してもらいます。食事代と車代は付き添いの人の小遣いにしているところもあるようですね。お布施の金額を付き添いの弟子には見せたくないのでしょう。」

 まさに坊主丸儲けってやつだ。


 ちなみに、おみくじの代金も寄付なので、払わなくてもいわゆる商品の窃盗とはならないかもしれないが、喜捨金のお礼や証としてもらう物なので、ただでもらえるものではない。なので、ゴミ捨て場のゴミと同じく、所有物の窃盗になるそうだ。おみくじやお守りを買っているわけではなく、一定の喜捨金を払ったお礼としてもらっていると考えるのがいいだろう。


 そう考えると、お布施というのはお礼ではなく、寄付であり、お寺に貢献したお礼として戒名をいただいたり、拝んでもらうわけだ。だから先に渡す。食事代と車代は来ていただいたお礼なので後から渡す。

 冠婚葬祭の本をみてもきちんと教えているものは少ない。もっと、ちゃんと教えるべきだ。


 僕は、危うく本題を忘れてこのまま帰りそうになってしまった。

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