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運動も勉強のレベルもそこそこ高いこの高校は、割と大人しめの生徒が多い。


何かしら能力の高い生徒が集まるせいか、みんなもうすでに落ち着きがある。


なのに…外部生だと、そうはいかなかった。


「このままじゃ、クビも間近かな?」


「そう悲観しなさんなって。一度、彼を捕まえて、話し合ってみたら?」


「だからぁ、どこにいるのか分からないんだってば」


「バカねぇ。誰が授業中に話し合えって言ったのよ? 放課後に彼を捕まえなさいよ。HRには参加しているんでしょ?」


「でも担任の先生がもうやっているんじゃない?」


「担任とはまた別でしょう? 向こうは体育会系の男性教師だし。アンタはまだ若いから、舐められているのかもよ?」


「どーせ童顔ですよ!」


「見た目だけじゃなく、中身もかなり幼いしねぇ」


ザシュッ!と、心を切られたような痛みが胸に…。


「まっ、とりあえず。一度話し合ってみることをオススメするわ。アンタ一度も彼とまともに話していないでしょ?」


「まっまあね。じゃあ早速今日の放課後にでも、彼を捕まえてみますか」


「ええ、頑張って」


「うん」


アタシは空になったコーヒーカップを涼子に渡し、保健室を後にした。


「それじゃ、またね」


「ええ、何かあったらまた来なさい」


涼子のこういうサバサバしたところが良い。


下手に粘着質になるよりも、こういうふうに1つ1つを区切ってくれた方が、心が楽だ。


―が、アタシは甘かった。


彼女がどうしてこんなに親切(?)な助言をしてくれたのか、深読みしていなかった。


アタシが去った後、涼子はカーテンが閉まっているベッドに向かって声をかけた。



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