第15話 遅れてやって来た誕生日プレゼント

 その人物は、座っていた…


 ある日、私は仕事から帰宅してリビングを覗くと座椅子にある人物が座っていた…

 かなりくつろいだ感じで座っていた。


 私は、リビングに入って自分の座椅子に腰掛けようとしたら、座椅子に包みが置かれていた。

 そして、その人物は、嬉しそうに笑顔で言った。「それ誕生日プレゼント!」私は、えっと思った…私の誕生日は、4ヶ月近くも前であった。それにその後、その人物とは何度も会っていたのである。

「誕生日プレゼントあげて無かったから…早く開けてみて!」とその人物は、満面の笑顔で続けた。


 私は、包みを開けた。包みの中には、焼酎タンブラーと書かれた箱と2種類の高級おつまみが入っていた。

 そして、焼酎タンブラーの箱を開けると中の陶器のタンブラーの側面には大きな字で「飲んだくれ」と書かれてあった。


 その人物は、私の家に来る前にある店でその焼酎タンブラーをみつけて、どうしても私にプレゼントしたくなったということらしい…


 私は、早速そのタンブラーを使おうと思ったが、家には焼酎が無かった…冬場はたまに焼酎のお湯割りを飲むことがあるので、買ってあることもあるのだが、今は無い。

 私は、それにビールを入れて飲むことにした…家にあった缶のプレミアムモルツをタンブラーに注ぎ入れた。ビールはいい感じのキメの細かい泡を立て注ぐことが出来た。


 私は、早速、タンブラーを口に持って行き、ビールを一気に喉に流し込んだ…

「くっ〜!」この瞬間がたまらない…


 私は、その人物の優しさを感じながら、心地いい酔いが回るのを感じた…ありがとう…私は、心で呟いた…

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