第2話 ある街の散策で…
ある日、仕事で ある街を訪れた…
午前の仕事が終わり、午後の仕事のアポまで少し時間があった…
凄く天気が良くポカポカ陽気だったので…
その街を少し散策することにした。
閑静な住宅街を足の向くままゆっくり歩いた…
すると少し大きな公園があった。
公園内には桜の木があり、綺麗に咲いていた…だが、昨夜の大雨の所為なのか、少し花が散っていた。
公園を出た私は、少し早めの昼食をとることにした…その公園から少し離れたところに庶民的な天ぷら屋さんを見つけた…カウンターとテーブル席が2つの小ぢんまりした店だった。
私が店の中に入ると30前後の美しい凛とした佇まいの女性店員が笑顔で迎え入れてくれ、カウンター席に案内された…そして、調理場には筋肉質のガッチリした店主らしき男性が立っていた。ただ、その眼差しは何となく女性的な感じを覚えた…
私は、少し迷った後、美しき女性店員に「鳥の天ぷらの定食」を注文した。
数分後、私の前にその定食が並べられた…
その鳥の天ぷらをカボスぽん酢につけて頂くと爽やかな香りが口の中に広がった…食感もサクサクで美味であった。
食べ終わって、お会計を頼むと調理場にいた筋肉質の店主がやって来て会計をしてくれ、私に言った「お仕事頑張ってくださいね…❤️」
外は、暑いぐらいの陽気であったが、私は背筋に寒いものを感じた…
店を出て、少し歩くと一軒の和菓子屋が目に止まった…その店は民家の敷地内にあり、小さな店だったが、店の前には少し行列が出来ていた…
店の中を覗くと店内でも食べれるみたいだったが、カウンター席が3席しかなかった。
タイミングよく店内には、誰も居なかった…私は、店内で食べることにした。
店内には、和菓子のメニューが無かった…
カウンター越しに如何にも頑固そうな風貌の店主が立っていた…
その店主は、何も語らず注文を聞くそぶりもない…
私は、その店主にメニューを聞こうと思ったが、店主は何も言わず、私の前にお皿に乗ったいちご大福を出して来た…
どうやら、この店はこの頑固そうな店主がお客の食べるものを決めるシステムらしい…
私がそのいちご大福を食べているともう一人、スーツを着たサラリーマン風の人が入って来た。
そして、店主はその人にもいちご大福を出し、もう一皿は、その人と私の間にきな粉餅が2つ乗った皿を置いた。
頑固店主は言った「馬場さんです。次山さんです。」
どうやら、2人にお互いを紹介してくれているらしい…
どうして、この店主は私の名前を知っているのだろうか…
その後、私たち2人と頑固店主は、記念写真を撮った。
私は、きな粉餅を食べ終わると午後の仕事に向かった…
店から出ると外は、相変わらずのポカポカ陽気だったが、スーッと心地よい風が私の頬を撫ぜた…
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