第7話神になった男


 冴えないオーラを出し続けて、生きてしまった 加山 司 (38)には、何の希望もなく、ただ、誰もいないアパートに帰り、隣や近所から聞こえてくる。親子喧嘩や夫婦喧嘩をベランダの窓を開け、聞き入っていた。

 今日も、またやっていると、薄ら笑いを浮かべ、小声で「羨ましいな」と、ボソッと口に出てしまった。

 その時、夜も21時を回っているにも関わらず。チャイムがなり、

「加山さん、お留守ですか」と全く聞き覚えのない声に、少し恐怖さえ感じてしまった。

 「どちら様ですか。」

 「私、あなたの人生があまりにも、荒んだ生活をされていることに、心痛めまして、よろしければ、永久とは、行きませんが、少しばかりの幸せの為に、贈り物をあげたく参りました。」

 彼は、長ったらしい話をしながら、ポストの中に、モノを入れ、自分がドアを開けると、その声の主は、消えていました。

 ポストを調べると中からでてきたのは、茶色の袋に入っている瓶であった。見るに、床屋などで頭につけるコロンであったのは、行きつけの床屋が、その瓶と同じ形状のコロンを私の頭につけてくれるからだ。

 中身を出し説明書の様なものがあり、そこには、

 「この度は、商品を手にいただきありがとうございます。これは、髪につけるただのコロンではありません。

始めに注意点から言いますと一日に使える数は、3回までです。頭に一滴垂らしていただければ、それだけに、頭皮に優しい液が頭中に広がり、優しい香りが漂ってきます。それだけでも、幸せになる気持ちになりますが、そのコロン一滴垂らした時に願いを想えば、それが現実の物になる、素敵なコロンなのです。

ただ、使い方を誤れば、あなたには、不のみしか残らないので、けして一日三滴まででお願いしますね。」

 と紙に書かれたのは、ここまでだった。

 いやいや、不とか書かれた紙見て試しにいちどなんて、ドラえもんや笑うせぇーるすまんなどで痛い目に合うの目に見えている。

使わずに押し入れにしまい、二日が過ぎた頃だ。私は寝坊した。それも今から出てもつくのは、昼過ぎもう無理だと諦めたときだ。あのコロンを思い出した。私は、一か八かで、一滴つけて願った。(時間よ三時間戻れ)フット辺りが薄暗くなり、時計は、7時前であった。

 願いは……かなったのだ、

それからというもの、一滴ずつ使っていたのだが、欲というものは、出てきてしまう。あのコロンで彼女も出来、様々な仕事にも、コロンの力をかりたおかげで、信頼を得て、幸せであった。ただ、彼女のデートの時に金が足りず。カードを持たない私は、彼女が欲しがっているバックすら、買ってやれなかった。だが、私には、このコロンがある。頭に塗れば………そうだ今日は三滴使ってしまったではないか、だが、ここは、私のカッコ良さを見せるチャンスである。

 私は注意を無視して、一滴垂らして10万ほど金を財布に入れてと願った。そして、バックを買うことはできた。その後、二三日あのコロンを使わずにいたが、何の不もなく過ぎた。

 私は、何か鎖で縛られてた何かが外れ、次々と頭に垂らしては、願った。社長やら様々だ。だが、ある朝ふかふかのベッドの周りには黒髪の毛が散乱していた。まさか、頭の上を鏡で確かめた。髪が抜け落ちてスキンヘッドになってしまっていた。

 「なっ何が起きたんだ。」

その時だった携帯から、見知らぬ番号が、出てみると、あの時の声であった。

 「あなた、何度もそのコロン使ってしまったようですね。そのコロンには、脱毛になる成分が入っており、三滴ほどまでなら、効果もそうはないのですが、一度に使うと一気に抜けてしまうのです。

 それからですね。今までの願いじたいも、髪が頭に定着して、その後歳をとるごとに、抜けていきいい人生で、終わらせるのがこのコロンの役目だったので。あなたの髪がなくなった今、あなたの人生は今後 幸にはならず、不の道を歩んで行くだけですので………」

 「たったのむ、なんかないのか、髪の毛が生える方法とか」

加山は震える手で携帯を握り助けてもらおうとするが、電話の向こうからは、「加山さん、毛根は、あなたの所には、もう来んとですよ。」と言って電話を切ってしまった。

 (加山司は、森の中で首を吊って死んでいたそうだ。)

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