第3話あの世切符
ときどき、何処か知らない場所に行きたいと気持ちが高鳴るが、思いはただ思いはのまま過ぎて行く。
ある夜、ドンドンドンドンとドアが叩かれ、もう夜中の一時だというのに、至らないイタズラをするやつがいると思いドアの前に行こうとすると、ポストの中になにかが入り、
「あなた、田中一郎さんですね、私は貴方のこの世の中から、少しの間だけ極楽を楽しめさせたいと思い、品物をポストに入れました。もし、使わなければそのまま捨てられて構いません。ただし、注意事項だけは必ず見てくださいね」
私は、ドアを勢いよく明け確かめたが、そこには人影はなかった、
ポストの中身を見ると一通の小包であった。中には、六枚の切符があり、説明書のようなものが、読んでいるとこの切符は天国に行くことができると書かれてあった。
川の手前に立ち、切符をポケットに入れてから川の中に倒れこむ、すると世界が代わり駅前に立っている。見知らぬ生物がうじゃうじゃいるが、気にせず駅員に切符渡せば天国に行くことができある。
注意事項は、決して切符を無くすことなく、使うのも1ヶ月置いてからであった。
私は、信じてはいなかったが、川で試してみた。すると不思議な駅ついて、駅員に切符を私天国に行った。
幸せな世界が私を待っていた。
元の世界に戻り、また1ヶ月を待った。そしてまた乗り天国へ
だが、欲が出てきてしまうのも人間の弱さ、田中は1ヶ月たたずして駅に来た。
静かに世界は流れていた。今までの駅と違い人がいない、私は駅員に切符を渡し列車に乗った。
列車に乗ると、私の前に黒電話が置いてあった。ジリジリジリジリと音が鳴り、電話に出た。
「貴方、約束破りましたね。1ヶ月のルール破って乗られたのだから、それなりの罰を受けなければいけません」
その声が消えると通じなくなった。
私は、駅に着くと、知らない暗い世界が広がっていった。そこは、地獄であった。
私は怖くなり、すぐに列車に乗ろうとした、駅員に切符を見せて乗ろうとすると、肩を捕まれて「切符が足りません。帰りは二枚必用なんですよ。」そんなものない、行きと帰り一つずつしか持っていないのだから、
「すみません、ありません」
「それでは、貴方の世界に戻すことができませんね、貴方はこのまま地獄で生きていくのですよ」
私は、静か に闇の世界に連れて行かれるのであった。
完
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