第5話
素戔ミコト
古来代々から伝えられてきた3つの予言がある。
かつて邪馬台国の王であるヤマトタケルの子孫であり昨今話題の素戔ミコトもこの予言を崇めている。
☆第一の予言 赤と白の地に恐ろしい第三者によって大地が血で染まる争いが始まる
☆第二の予言 天の空に幸せの大地の恵をさずかる
☆第三の予言 それは遠くない未来、かつて黄金と呼ばれた島は口をあけ火と水の洗礼を浴び人々を苦しめる。
数多く伝えられてきた予言の中からおそらく今後この日本に関わるであろう重大なるメッセージがこの第三の予言と言われている。
素戔ミコト「私が崇めているこの第三の予言はこの国に向けられた重大なメッセージである。それゆえに安易に解いてはならず、かつこれに関わり善へと導く者もいる。」
司会者「えー特番で組んでおります、"未来がみえる男" 本日のゲスト素戔ミコトさんに、それでは今後日本はどうなってしまうんでしょうか?」
素戔ミコト「これらの予言の通り事が進めば犠牲はまぬがれないでしょう。しかし、私のような能力を持つ者が他にいてその者も又、間近な未来を見る事が出来、未来を善へと導いてくれるでしょう」
司会者「まだ他にもいらっしゃる!素戔さんはその人物をご存知なんでしょうか?」
素戔ミコト「勿論その者を前から見ていて数日前に会ったばかりです」
司会者「いやー、是非次回はその方とご一緒に出演して頂きたいですねー。
本日のゲストは素戔さんに来て頂きました。又、次回お会いしましょう!」
パチパチパチパチパチパチー
番組の収録が終わり素戔嗚はスタジオを後にする。港区某所に1億もする家賃のマンションに住まいを構える今や時の人物である。58階のビルの夜景はまさにスターの象徴。何と間取りは6LLDDKK。リビング42帖、勿論目の前には東京タワーがそびえ立ち、見る物全ての欲望を包んでいる。まさしく成功者のそれである。
プルルルル、プルルルル、
素戔ミコト「はい、私だ」
秘書「お疲れ様で御座います。明日の予定に追加が入りましたが宜しいでしょうか?」
素戔ミコト「何だ、、」
秘書「はい、某ビルにて例の件でSATの貝塚様よりお話がありますと…」
素戔ミコト「そうか…分かった、入れてくれ」
秘書「はい!かしこまりました。」
電話を切ると直ぐに浴室へ向かった。
18帖はあるだろう広さに温泉施設がすっぽり入っているような、さも海外スター宅にあるプールでもあるようだった。
中央には何か魔方陣らしきものが描かれている。おもむろにそこへ座ると座禅をくみ、合掌し何かを唱え始めた…
素戔ミコト「เหจวเขขจาลมชา่จบอเจ」
そして両手を広げ天を仰ぐ…
暫く目を閉じたまま何かを感じているようだ。
ガガガガガガガガ…
ブォーン、ブォーン。
何体もの戦車で街中の車線を埋めつくしていた。映画でしか見た事のない戦慄の風景がそこにはあった。
そう、ルトが見ていたあの光景と同じものを見ていたのだ。
走るルト
ルト「はぁはぁはぁ、マジかよ!」
ホントに戦争なのか、、
見上げた空には、爆撃機が今まさに空爆をする最中をひたすら走っていた。街中は混乱し皆恐怖に満ちている、その軍隊の先頭に素戔は立っていた…
目を開きゆっくりと立上がり浴室をあとにする。
一夜明け、素戔は某ビルの27階の応接広間にいた。
貝塚「で素戔さん、あの青年はどうでしたか」
素戔ミコト「ええ、恐らく能力に気付き始めており2021については何かしら感じているのではないかと」
貝塚「話して頂けますか、その先の事を…」
暫く沈黙が続く…
数分だろうか、沈黙の中静かに口を開く
素戔ミコト「始まりは、旧アサルト軍によるソ連へのテロ攻撃によるものだがアメリカ、中国、日本をも巻込む大戦争となるだろう。肥大したアサルト軍による兵器に圧倒されたソ連、アメリカ。続く中国は降伏を余儀なくされ残る日本軍は白旗を目前にしていた…私は、指揮を取り攻撃の一手を読み避ける事が出来たのだがそれに勝る兵器もなく為す術もないままにいた。そんな中にあの青年が組織に入り込んでいる事を知る。青年は軍のリーダーとしてアサルト軍そのものを壊滅に導く事を見出していた…しかしこれらの出来事はあくまでも青年が見たもの感じたものを1つ1つ事を上手く導いてくれればの話であって確信ではないのだ…」
貝塚「やつらの目的は…」
素戔ミコト「おそらく軍の独立、領地、金品の確保。絶対服従により世界国々を支配下とし新しい国家を生み出そうとしているのであろう」
貝塚「そんな事になれば世界は破滅の一途をたどり経済が成り立たず…間違いなく世界が終わる」
貝塚「くそがぁー!」
バンッ!テーブルを叩く音が応接間に響き時間の流れを短くさせる…
日本組織史上最強の軍を持つ貝塚でさえ皆無だった。アメリカ、ソ連でさえ今のアサルト軍隊は未曾有であり何一つ情報が掴めずにいたからだ。しかし素戔には秘策があった。何かを悟っているようにも思えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます