第3話
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
俺は全力疾走で通学路を走る。いつもの電車にはもう間に合わない。1秒でも1分でも早く学校につかなければならない。
「はぁ·····はぁ·····」
駅に着く頃にはもう息もすっかり上がっていて今にも倒れそうな状態だった。だが、ここで倒れる訳にはいかない。せめて学校についてから倒れるんだ!俺!
「あ、祐も遅刻?」
「ん?ああ、奈美か」
声が聞こえた方向を向くとそこには幼なじみの奈美が立っていた。
「なんだ、お前も遅刻か?」
「えへへ、あったりー」
こいつとは幼稚園からの付き合いだった。幼稚園も一緒、小学校も同じ、中学高校も同じとくればもう何らかの陰謀が隠されている気さえしてくる。
「お前、また遅刻か?そろそろやばくないか」
「だいじょーぶだいじょーぶ!」
そう。奈美は高校に入ってからかなりの量の遅刻をしているのだ。そろそろ成績がやばいんじゃないかと言いたくなるほどに。
「祐はまた妹さんにスルーされちゃったパターン?」
「ス、スルーって言うな」
·····そう。俺はあの初対面の日からずっと、妹に避けられていた。今日だけじゃない。昨日も一昨日もずっとだ。
「··········」
「·····まあ、そこまで気にすることないよ。そのうちきっと仲良くできる日が来るって。だからその時を楽しみに待ってよ?」
·····俺はいつもこうやって奈美の明るさに救われていたりする。本人には言えないがな。
俺の妹が世界一可愛いことは世界中の誰もが知っている 早龍アイ @Aika16
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